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幾たびもペドロ ラテンアメリカの文学18
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幾たびもペドロ ラテンアメリカの文学18

アルフレード・ブライス・エシェ(著者), 野谷文昭(著者)

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幾たびもペドロ ラテンアメリカの文学18

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 集英社
発売年月日 1983/10/01
JAN 9784081260188

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2014/08/05

ペドロ・バルブエナ、40歳独身。だってソフィーは家の為に違う男と結婚してしまったんだ。職業は作家。まだ一作も書きあがる予定もないけどね。相棒は真鍮の犬マラテスタ、二人きりの時は喋るんだ、ソフィーの寄越したものだからね、誰にも内緒だよ。 ソフィー。君を忘れるために随分旅をして他の女...

ペドロ・バルブエナ、40歳独身。だってソフィーは家の為に違う男と結婚してしまったんだ。職業は作家。まだ一作も書きあがる予定もないけどね。相棒は真鍮の犬マラテスタ、二人きりの時は喋るんだ、ソフィーの寄越したものだからね、誰にも内緒だよ。 ソフィー。君を忘れるために随分旅をして他の女性たちとも付き合ってきたよ、アメリカ娘ヴァージニア、毛沢東主義のシングルマザークロディーヌ、ボッティチェリの絵画の化身のようなベアトリス。 でもソフィー、君を忘れたことはなかったよ。君と逃げた三ヵ月と五日、そして酷すぎる最後の二十四時間!     ソフィー      ソフィー       嗚呼ソフィー …という調子で最後まで行くかと思ったら最終章でガラッと変わった。やっぱりラテンアメリカ文学は一筋縄ではいかなかった。 最終章は、夢から醒めたらまた夢の中、そこから目覚めてまた別の夢、次も夢と思ったら現実…というように幾重にも連なった世界が綴られます。そして容赦のない”現実”。 恋するあまりに頭がおかしくなり、別の夢を現実にしようとして、そして現実の壁にぶつかった男の物語。

Posted by ブクログ

2010/02/02

ユーモアな語り口が特徴的なある男の悲しい恋の話。 一枚も作品が書けない作家ペドロは、ユーモア溢れる喋りで数々の女性と関係を持っていく。いかにも人生を楽しんでいる風だ。しかし、その真の動機は悲劇的である。また彼のユーモアは狂気の一歩手前という印象を受ける。 彼の陰には過去の失恋の...

ユーモアな語り口が特徴的なある男の悲しい恋の話。 一枚も作品が書けない作家ペドロは、ユーモア溢れる喋りで数々の女性と関係を持っていく。いかにも人生を楽しんでいる風だ。しかし、その真の動機は悲劇的である。また彼のユーモアは狂気の一歩手前という印象を受ける。 彼の陰には過去の失恋の記憶がある。その過去を乗り越えるために、経験をフィクションの中に埋め込ませようとしたり、新たな恋で過去の想いを相対化しようとしたりする。ユーモアも悲劇を乗り越えるための手法にすぎない。 結局、初恋の悲劇に終止符を打つのは、初恋の相手でしかありえなかった。それも決定的な方法で。 読み始めたころは、ペドロの行動の意味が理解できなかったが、読み進めていくにつれ、この男の滑稽さが本当に痛ましくなってくる。思うに、彼はピュアすぎたのだ。 饒舌な語り口に誘われて、楽しく読める作品だが、何とも忘れられない読後感を与えてくれる。実に良質なエンターテイメントであり、そしてそれ以上の何かをもった作品だと思う。

Posted by ブクログ

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