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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 作品社 |
発売年月日 | 2012/09/22 |
JAN | 9784861824036 |
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商品レビュー
4.3
7件のお客様レビュー
神保町ブックフェスティバルの作品社ブースで購入。 最も難解な作品と言われているように、なかなか一筋縄ではいかないのだが、じわじわと沁みてくるような気がする。解説に挙げられているキーワードより何か大きいものを感じる……。 巻末の解説が物凄くボリュームがあった。
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受胎、誕生、死、再生、輪廻転生、反キリスト等々。 色々なキーワードが浮かんでくる。 物語は複数の時間と複数の空間が、あるときは時系列に沿って、ある時は平行して、ある時は全く同時に存在するといった形で進む。 登場人物は、例えばドッペルゲンガーではないもう一人の自分であ...
受胎、誕生、死、再生、輪廻転生、反キリスト等々。 色々なキーワードが浮かんでくる。 物語は複数の時間と複数の空間が、あるときは時系列に沿って、ある時は平行して、ある時は全く同時に存在するといった形で進む。 登場人物は、例えばドッペルゲンガーではないもう一人の自分であったり、これから生まれてくる自分であったり、幼いころの、あるいは年老いた自分に対峙する自分であったりする。 最後の方になって、物語の全体像が見えてくるのだが、決して謎が解かれた訳ではない。 ネットで検索してみると、色々な方が謎解きに挑戦し、「この本はこれこれこういうことを言っているんだよ」と記述しているのだが、どれをとっても「そうだったのか!」とは思えず、「違うんじゃないの」と首をかしげるものばかりであった。 当たり前の事なのだろうが、「謎」の答えを出すのはあくまでも読み進めている自分の感性であり、自分の感性で求められた答えが「正解」なのだと思う。 僕自身も完全に理解出来たとは言えないし、「漠然と」という注意書きが必要な状態だが、ある程度は内容を把握できたと思っている。 この「ある程度は内容が把握できる」という絶妙な塩梅が本書の魅力の一つなのかも知れない。 この絶妙な塩梅があるおかげで、もう一度読み直してみよう、と思わせてくれるのだ。 たまらなく面白い本だった。
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ハッピー・バースデー・ジョージ。 映画化もされた『おいぼれグリンゴ』やその他戯曲等も手掛けるメキシコの国民的作家カルロス・フエンテスが挑んだ、揶揄と批判が隠された挑戦的小説。回転し続ける迷宮とも表現されている、宗教的な禁忌を絡めた傑作文学です。 「その目はキチョウの群れを...
ハッピー・バースデー・ジョージ。 映画化もされた『おいぼれグリンゴ』やその他戯曲等も手掛けるメキシコの国民的作家カルロス・フエンテスが挑んだ、揶揄と批判が隠された挑戦的小説。回転し続ける迷宮とも表現されている、宗教的な禁忌を絡めた傑作文学です。 「その目はキチョウの群れを集め、フクロウの夜を散らす」 「扉が扉でなくなるのはどんなとき?」 見知らぬ部屋で目覚めた主人公の前に現れる少年と女性。登場人物がほぼ3人(と1匹)だけ、しかもほとんどが部屋の中という状況での物語は、言いようのない不安感を与え続けます。 「あのときは一人だった。アルプス山脈という巨大な純白の霊柩車のなかで」 「いつまでも夏が続くとでも思っていたのかい。夢を見るにもほどがある」 困惑する主人公の畏怖をよそに無神経にも淡々と進んで行く筋書は、目覚めた後にも一日中頭に纏わりつくような生々しい夢のよう。 「唯一の真実は永久に一粒のブドウの中心に葬られ、失われるかもしれない」 「五つのハスの花が思い出させる誓いとは、どんなものか?」 閉鎖的な空間でもありながら、それでいて果てのない感覚を味わわせる。この状況下や奇妙に小奇麗なメタファーは形而上学的な解釈に通じるものなのかもしれません。また、40ページ以上に及ぶ訳者解説も読み応え十分。 あらゆる理解と時空を超えたトリック・アートのような世界。難解極まりないので、閲読希望の方は迷い込まないようくれぐれもご注意を。 そんなお話。
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