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水瓶

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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 青土社 |
発売年月日 | 2012/09/26 |
JAN | 9784791766680 |
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水瓶
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商品レビュー
3.2
37件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
これまで読んだ川上未映子作品の中でダントツ難解だった。短編集、というより全部詩? 表題作でもある「水瓶」は、16歳の少女の鎖骨に水瓶が埋まっていて、そこにはありとあらゆるものが蓄積されているからそれを捨てたいんだけど、その中身を消す錠剤「あれかし」は他の少女たちが濫用するようになったから少女には売らないことにした、みたいな設定で、昨今のオーバードーズの流行を彷彿とさせた。その水瓶を少女が自分から引き抜くと、少女は粉々になくなってしまう。水瓶に積もったすべての⚪︎⚪︎…たちは、少女の人生の中で蓄積されていく重たくて捨て去りたいものだけれど、その現実あってこそ少女は生きていけるということだろうか。「あれかし」が、「かくあれかし」とか、要はラ変動詞ありの命令形+念押しの終助詞だとしたら、それは現実ではなくて理想や夢見ることなのかもしれない。 「水瓶」はまだ考える手がかりはあったけれど、他難解すぎて歯が立ちません。
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「戦争花嫁」と読んでみたかった表題作の「水瓶」を読んだ。 水瓶がほかの人のように消えない、からの怒涛の「すべての〜」数ページがなかなか悍ましかった。難解だけどどこか引っかかりを覚える印象が残る。
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2012年刊。収録作は2008年から2012年。 1年前に購入していたハードカバーの散文詩集だが同著者の『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』(2008)と同様にこれも文庫化されてしまい、深い悲しみに包まれ月日が経った。 驚きと新しさに覚醒した言葉が次々と立ち現れ、文脈...
2012年刊。収録作は2008年から2012年。 1年前に購入していたハードカバーの散文詩集だが同著者の『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』(2008)と同様にこれも文庫化されてしまい、深い悲しみに包まれ月日が経った。 驚きと新しさに覚醒した言葉が次々と立ち現れ、文脈の意味ストリームに埋没せずに未見のイメージが生成されてゆく様は、まさに「現代詩」であり、その原理は現代音楽と同じである。 ご本人が喋るのを聴いたことはないが川上未映子さんはたぶんかなりの多弁で、言葉で溢れかえっている人なのではないか。しかもその言葉は鋭い感性に満ちていてそのきらめきは圧倒的な量となってなだれ込むのである。 『先端で・・・』の際よりも作品として成熟が見られ、作者特有の物語性・フィクション性への志向があって他の現代詩作者たちの作物との違いが窺われる。高見順賞を受賞したのだからたいしたものだ。 言葉たちの際立ちが楽しく、川上さんの小説作品よりも当然ながらそうした才気が走っている。最近は彼女は詩を書いていないのだろうか。
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