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現代がトヨタを越えるとき 韓国に駆逐される日本企業 ちくま新書
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現代がトヨタを越えるとき 韓国に駆逐される日本企業 ちくま新書

小林英夫, 金英善【著】

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現代がトヨタを越えるとき 韓国に駆逐される日本企業 ちくま新書

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房
発売年月日 2012/09/07
JAN 9784480066817

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2017/05/07

グローバル攻勢をかけている韓国企業の一つである現代自動車。 タイトルはトヨタだが、日韓の自動車業界を比較した書。 それぞれの国内での自動車業界の位置付けから始まり、企業の売上げや利益などの内部情報や、海外生産や開発拠点、マネジメント情報などを時系列に整理して論じており、新書とは思...

グローバル攻勢をかけている韓国企業の一つである現代自動車。 タイトルはトヨタだが、日韓の自動車業界を比較した書。 それぞれの国内での自動車業界の位置付けから始まり、企業の売上げや利益などの内部情報や、海外生産や開発拠点、マネジメント情報などを時系列に整理して論じており、新書とは思えないレベルに仕上がっています。 自動車業界の今を知るには、この一冊が最適かと思います。 現代自動車躍進の以下のキーワードが、印象に残りました。 そのほとんどが自分が仕入れたサムスンに関する情報と通じており、韓国企業躍進とも言い換えることができるでしょう。 ・トヨタ生産方式+αとして、ITの徹底活用 ・モジュール生産 ・財閥傘下で固めた垂直構造 そして本書の結末の「トヨタ対現代という比較は、日本対韓国という対比の縮図でもある」という文章に、大いに納得しました。

Posted by ブクログ

2012/12/11

ウォン安、技術集積、過酷な市場競争に加え、国策としての強力な輸出産業のバックアップ。これらの後押しを受け急速に力をつけてきている韓国企業。手を拱く日本を尻目に懸け韓国一流のマーケティングを世界にじわじわ浸透させている。輸出一辺倒策に危うさはあるものの日本が大きく水をあけられている...

ウォン安、技術集積、過酷な市場競争に加え、国策としての強力な輸出産業のバックアップ。これらの後押しを受け急速に力をつけてきている韓国企業。手を拱く日本を尻目に懸け韓国一流のマーケティングを世界にじわじわ浸透させている。輸出一辺倒策に危うさはあるものの日本が大きく水をあけられている実態は看過できない。自動車のみならず産業全般にわたる韓国企業躍進の言動力を述べるとともに、併せて意外なアキレス腱も解く。

Posted by ブクログ

2012/11/23

小林英夫、金英善著「現代がトヨタを越えるとき」ちくま新書(2012) * 2008年以降の超円高と11年の原発事故を日本進出のチャンスと捕らえ活動を活発化し、日本カーメーカーへの拡販を推進した。2012年4月に現代MOBISを中心とする韓国部品メーカー15社は、日本の自...

小林英夫、金英善著「現代がトヨタを越えるとき」ちくま新書(2012) * 2008年以降の超円高と11年の原発事故を日本進出のチャンスと捕らえ活動を活発化し、日本カーメーカーへの拡販を推進した。2012年4月に現代MOBISを中心とする韓国部品メーカー15社は、日本の自動車部品生産の中心地である、静岡県の浜松のスズキ本社で技術展示会を開催。その結果として韓国製自動車部品の対日本輸出を開始したし、韓国の現代自動車を使用する個人タクシー業者が東京都江東区を中心に急増している。理由は韓国の現代自動車がタクシー用にLPガス使用仕様の車を日本で売り出し、その車が個人タクシー業者に好評を博しているからである。品質は日本車と大差がないのに、ウォン安も手伝って価格が3割安い。なぜ江東区かといえば、この地域に現代自動車のサービスステーションが整備され開始され始めているためである。 * 現代は、右手にウォン安、左手にFTAを振りかざして世界市場でのシェア拡大をしているといっても過言ではない。しかも競争相手の日本は、超円高に加えて、東日本大震災、タイの洪水という痛手をこうむって能力減退状況であり、FTA、TPP問題で国論が統一できない状況であれば、韓国FTAの切れ味は鋭いものがあるといえよう。 * 現代自動車の市場調査は精巧をきわめる、現代、サムスン両社がいかにマーケティングを重視しているかは、韓国を代表する2大広告代理店が、サムスン財閥の第一企画と現代自動車のイノーションの2社であることに象徴されている。 * 国家の通商政策という意味では日本の活での護送船団式と比較すると、韓国のそれは連合艦隊方式であるといえる。1980年代までの日本の貿易重視の輸出政策は通産省が前面にでる護送船団方式だと称された。それゆえにアメリカをはじめとする各国から強い批判をあびた。今日の韓国財閥の企業保護を目的とした市場開拓での国家保護、低為替、FTA政策、企業の技術開発支援、租税上の優遇措置、出先市場でのロビー活動などは、かつての日本のそれを上回る国家保護政策の展開だということができる。サムスン、現代、キア、LG、ポスコへの国家の至れり尽くせりの保護支援政策は護送船団などという生易しいものではなく、その強力ぶりを考えれば連合艦隊方式であるといえる。 * 海外生産のなかでも韓国企業がその生産・販売台数を急増させているのがBRICsである。また現代キアグループが海外展開する際に、忘れてならないことは、必ず、現代キアの1次メーカーである現代MOBISが進出することである。 * トヨタが現代に敗れるかという問いに関しては、条件つきではあるが一時的にはトヨタは現代に抜かれる可能性も想定する必要がある。   * 現代も問題点は抱えている。ひとつは現代自動車の循環出資構造である。グループ内の株の持ち合いを通じて現代MOBISに集中するようにできている。グループの総帥は労せずして資金を独占し、財閥企業をコントロールしている。2つ目はグループ内取引の比率の高さである。たとえば広告では49%、物流では83%に達しており、排他的なグループ内独占である。3つ目に、過酷なまでに部品企業に対する原価低減の要求とその見返りの少なさである。つまり、1次、2次サプライヤーを抑圧することを通じて収益を増加させているが、長い目でみれば反発を買って、得るべき利益が得られない状況なのである。4つ目は非正規労働者に対する差別である。賃金や待遇の差では天と地との格差がある。こうした身分格差が生み出す労使関係の不安定性が現代が関わる課題である。

Posted by ブクログ

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