星降る草原 グイン・サーガ外伝 23 ハヤカワ文庫JA

久美沙織【著】, 天狼プロダクション【監修】

• 販売会社／発売会社: 早川書房
• 発売年月日: 2012/09/10
• JAN: 9784150310837

商品レビュー

2025/01/20

グイン・サーガ本編開幕以前の幼きスカールの物語である外伝23作目。
母親と兄、彼を支えてくれた人々、愛する女性との出会い。

スカールといえど、どこにでもいる少年のように未熟さからくる万能感に囚われていたことがあるというのが、意外でもありそういうものだよなという納得もあり。
重要なことは、その万能感を自覚し修正しようとする一歩を踏み出すことができたということか。何者でもない自分を自覚した時に、己が何をすべき人間で何をなすべき存在なのかを客観視でき、目指すべき自分へ努力をすることを厭わない、というのは得難い資質であると思います。
思えばナリスも、同じように己の人生の未来のために覚悟を決めていった人物でしたね。グインやイシュト、リンダやレムスといった面々。彼らが覚悟を追い求めてゆくのが物語の一面にあると思うのですが、本編では成長した存在であるスカールやナリスが、彼らに立ちはだかる存在でもあるので、前日譚で成長の軌跡を見ることができるのは興味深かったです。外伝の趣たっぷりです。

リー・オウとヴァル・ネルラの陰陽の対比が、物語中1番の陰りを生み出していて、とにかく暗鬱とさせます。ヴァル・ネルラは典型的なパロというか貴族階級の暗黒面に囚われてしまった人なので、彼女自身の思惑思想は別として、立ち位置としてかわいそうな人であったのだと思います。アルゴスにとって幸福であったのは、スタック王に引き継がれなかった点でしょうか。

2023/02/27

そういえば外伝を読んでいなかったことに気づき、読み始めているのだ。これは草原の話。
グル族にリー・オウという美しい娘がいて、アルゴス王に見初められ側室となる。で生まれたのがスカール。実はリー・オウはその前に一人生んでいる。父は不明で、子はたてがみがあった。ウマ娘ならぬウマ男。リー・オウには死産と伝え、子は羊飼いに養われていた。終盤で二人は出会い、二人で去っていくのであった。なんなのだ、これは。残されたスカールの立場は。スカールだって息子なのにｗ
で、リー・オウは美しすぎて兄にも慕われ、邪推した兄一人は追い出された。のが復讐のためやってくる。のをスカールたちが追い払うのであった。これがスカールのグル族を率いた初陣。リー・ファとも出会う。
シェアードワールド作品、というらしい。

2020/06/05

まだ、読み終わっていませんが、私自身がグイン・サーガに対しての思い入れが強いことを再確認しました

いきなりの冒頭のしつこいくらいの草原の描写…
読む気が一気に失せました…
言葉にすると、どこまで何を言い出すことか…自制できるか自信がありませんので、これ以上のコメントはやめます

古本屋さんに行って、新古書で売られていたわけですよね