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百年前の日本語 書きことばが揺れた時代 岩波新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2012/09/22 |
JAN | 9784004313854 |
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百年前の日本語
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商品レビュー
3.1
22件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
今から約100年前の日本語は、現代の日本語と比べどのような相違点があり、現代に至るまでにどのような変化を遂げてきたかを、明治期の日本語をもとに述べられている。また、副題にある「揺れ」というのは「豊富な選択肢があった」ことを意味しており、この時代の日本語はこのように称される通り、手書きによる一つの文章の中で書体が混在したり(夏目漱石『それから』の自筆原稿が具体例として挙げられる)、外来語に対する表記の仕方に対しても様々な選択肢(漢字をあてて書くか、仮名で書くかなど)があった。しかし現代においてそれらの「揺れ」は見られず、むしろ様々な選択肢を内包していた表記体系は排除され、一定の規定(平成3年に内閣告示された「外来語の表記」や、平成22年に同じく告示された「改定常用漢字表」など)のもとに成り立っている。明治期の日本語を具体的に様々な用例から推測し、どのような変遷をとげて現代に至るのか、そのルーツをたどり現代の日本語のすがたを改めて見つめ直すことを目的とした内容になっている。 明治期の日本語は様々な選択肢を内包していたという点についてだが、それは漢字の字体や書体、語形やその書き方においてにまで及ぶ。例えば、手書きのみならず活字においても、楷書体・行書体・草書体が混在しており、これは明治期の活字印刷において手書きの文章を印刷においても再現しようと意識されていたことが示されている。室町時代末期から江戸時代初頭にかけて行われた「古活字版」は、手書き文字を精密に再現しようとした技術がみられるが、それらの意識は明治時代までも受け継がれており、現在の「印刷されているように手書きする」(本書、p.2)といった印刷物を手本の文字として捉えている考えとは正反対のものであると考えた。また、外来語の書き方においても明確な規定はまだ無く、様々な方法(外来語に漢字をあて、片仮名による振り仮名を施す方法や、片仮名のみで書かれたものがあった)でそれらを書き表しているが、一つの文章の中で書体が混在しているように、外来語の書き方においてもそれは同様に行われることを学んだ。
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明治が日本語表記の「揺れ」の時代だったのではなく、それまでずっと揺れていた表記が明治以降に収束の方向に向かった。明治期までの日本語と現代の日本語で、表記の幅以外に本質的に異なるのは、漢語と和語の区別が曖昧になってきたこと。漢語が外来語として意識されなくなってきて和語の中に溶け込ん...
明治が日本語表記の「揺れ」の時代だったのではなく、それまでずっと揺れていた表記が明治以降に収束の方向に向かった。明治期までの日本語と現代の日本語で、表記の幅以外に本質的に異なるのは、漢語と和語の区別が曖昧になってきたこと。漢語が外来語として意識されなくなってきて和語の中に溶け込んでしまった。 教育の標準化による常用漢字表などの制定、新聞などの出版物によって不特定多数が読む文章が、表記法が統一されていく背景にあった。 古くは「手で書くように印刷する」もので、崩し字や続け字の活字まであった。それがいつしか「印刷するように手で書く」方向へ変わっていった。 振り仮名でもって和語、外来語に漢字を当てることで、非常に多様な表記(同語異表記・異語同表記)がされた。なるべく漢字で書きたいという欲求があった。 →日本語の音素の少なさによるか。平仮名ばかりでは読みにくいから。 「康煕辞典」。漢字の標準形。 唐音は主に江戸時代以降に中国から伝わってきた漢字の音で、白話(話し言葉)的な中国語の音。漢音、呉音とは区別されて、正統的な漢語の発音ではなかった。 ある漢語が、意味のつながりによりまた異なる漢語の表記に流用される。「基礎」と書いて「どだい(土台)」と読ませたり、「平生」と書いて「ふだん(普段)」と読ませたり。 →和語に漢語を当てるなら分かるが、もともと漢語であたものにわざわざ別の漢語を当てるとは、かなり不自然に感じられて面白い。が、著者は、漢語が和語化してきているのが分かるとするくらいで随分とあっさりとした解説。こういうところをもっと掘り下げてくれれば。 あとがきによると、細かい事実を丹念に拾い上げる「虫瞰」を旨としているそうで、それはなるほど納得。やたらな大風呂敷や声高な主張より、個人的にもそちらが好みである。しかし、もう少し考察面の踏み込みがあると楽しいかも。
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P.82 明治期とは、「和語・漢語・雅語・俗語」が書きことば内に一挙に持ち込まれ、渾然一体となった日本語の語彙体系が形成された「和漢雅俗の世紀」であった。 100年前の日本語」というより「表記、語種が統一されていない明治時代の新聞」という感じになるのかなー。旧字新字「憺」「舊」...
P.82 明治期とは、「和語・漢語・雅語・俗語」が書きことば内に一挙に持ち込まれ、渾然一体となった日本語の語彙体系が形成された「和漢雅俗の世紀」であった。 100年前の日本語」というより「表記、語種が統一されていない明治時代の新聞」という感じになるのかなー。旧字新字「憺」「舊」や、変体仮名「志」「ハ」といった表記の話が多かった。 夏目漱石の直筆原稿や、明治時代の新聞、辞書などの写真が多用されていて、これからこういう情報が読み取れるのか、当時の「感覚」が伝わるし、参考になりました。明治時代の新聞の、振り仮名の活用されぶりがすごい。 一般人向けにわかりやすい、かもしれないけれど言葉遣いや語が論文を読んでる気がした。とても理解しやすかったですが。
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