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子どもの王様 講談社ノベルス
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2012/08/08 |
JAN | 9784061828452 |
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子どもの王様
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商品レビュー
3.3
9件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ミステリとしては極めて王道でストレートな物語なのだが、ジュブナイルものとしては完璧の一語。子ども視点で見る閉塞感のある団地生活の描写が素晴らしく、団地特有の閉塞感と陰鬱さの描写が丁寧である。特に作中で描かれる小学生男子像は非常にリアルで、無邪気な邪悪さの交じる会話、喧嘩の強さやや遊び道具の所持数を基準にした立場の違い、女子に対する忌避感など、薄暗い団地で浮かび上がる小学生の不自然なまでに明るい生活スタイルこそが本書の見どころの一つと言っても過言ではないだろう。フィクションのヒーローものをフィクションとして捉えつつも、それがこの世の楽しみの全てであるかのような、一見すると矛盾にも見えるさじ加減もまた現実的である。若い母親との会話も良く、時折交じる現実味や、シングルマザーと子どもの生活感や距離感もまた微笑ましい。主人公が殺人を犯すラストのくだりは賛否が分かれるだろうが、一見すると英雄的行動でも、現実はそこで終わりではなく、また上手いこと収束しないことを示した最高のシーンだと思う。罪の重さはあれ、それは大人の尺度で語る話であり、残酷なことに子どもにはそれが分からない。つまりは大人と子どもの認識のズレこそが肝であり、子どもの王様の正体(トモヤの父親)は大人ならすぐに分かるだろうが、子ども視点で「顔を見ることで」子どもにだけ正体が分かるようにぼかして描いたのは上手い。「現実はフィクションのようにはいかない」というのがそもそもの主題であり、その現実の苦さを知ることこそが大人への第一歩なのだろう。そういう意味では少年時代の終わりをしっかりと描写した、実に真っ当なジュブナイルものであると思う。
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作者の作品である「ハサミ男」が好きすぎて、これも読んでみたのだがこれはちょっと単調だったかな。 子供が読むと確かに展開が分からずハラハラ楽しめると思う。 自分は子供の王様の正体が途中でわかってしまったので。。もっと若い時に読んでれば感想も変わったと思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2003年に講談社ミステリーランド叢書から刊行されたジュベナイル小説のひとつ。大人にも子どもにも楽しめる本格ミステリというコンセプトであり,本作品も主人公が小学生となっている。 不登校で引きこもりのトモヤという少年が,ショウタという少年に「子ども国を支配している王様」の話をする。いつも話しているような,途方もない作り話かと思っていたが,ショウタは「髪が茶髪で,いつもよれよれのトレーナーとジーンズを着てる。頬がちょっとこけていて,やさしそうな垂れ目で,口のまわりにぽつぽつとひげが生えている」という外観の男性を発見する。 子どもの王様の正体は,トモヤの父親だった。DV夫と離婚し,母子家庭となっていたトモヤの家族。ショウタは,トモヤを救うために,トモヤの父親を窓から落として殺害してしまう。本当は父親のことも好きだったトモヤはショウタを許さず,ショウタとトモヤが住む団地から,トモヤの家族は引越しをするという形で物語は終わる。 なんともいえない読後感の作品であり,読みやすい文体は殊能将之らしい作品といえる。驚愕の真相や,ロジカルな展開などがなく,本格ミステリとしてはイマイチ。受べないる小説として読めば…ちょっと読後感が悪いか。総合的に見れば★2かな。
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