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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東洋経済新報社 |
発売年月日 | 2012/07/28 |
JAN | 9784492061879 |
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商品レビュー
4.2
9件のお客様レビュー
本書は上巻の続きとして太平洋戦争敗戦後の1945年から昭和天皇が崩御する1989年までの昭和後期を記述しています。上巻同様に全般的に平易な文言が使われているため一貫して読みやすいです。ただし著者自身も田中角栄内閣以後は政治がつまらない、と記述しているように、下巻の後半は特にクライ...
本書は上巻の続きとして太平洋戦争敗戦後の1945年から昭和天皇が崩御する1989年までの昭和後期を記述しています。上巻同様に全般的に平易な文言が使われているため一貫して読みやすいです。ただし著者自身も田中角栄内閣以後は政治がつまらない、と記述しているように、下巻の後半は特にクライマックスもなく淡々と消費税導入やリクルート事件などのイベントを説明している感はあります。 その意味で下巻のクライマックスはむしろ前半で、日本がいかに戦後GHQの占領下で強引に既得権益の排除に努めたか、そして所得格差を急速に解消し、また朝鮮特需などの外需も幸いし1955年には戦前の経済水準まで戻し、また1960年代には「所得倍増計画」のもとベビーブーマーの就労なども追い風となって、一気に先進国に駆け上がった様が生き生きと記載されています。 また上巻との違いは、下巻では経済と政治が中心で文化面の記述がほとんどないことです。若者が漫画・テレビなどに浸ってしまい、知的努力を放棄してしまったのではないか、と本書の中で嘆いているのが特徴的ですが、人によっては下巻に漫画、アニメーションの勃興を重要テーマとして書くと思いますね。昭和元年生まれの著者からするとそこは素直に受け入れられなかったのかな?とも感じました。しかし全体で共通しているのは、たくさんのデータの裏付けがあって、なるほどと思う点がたくさんあることです。できるかぎり客観的に、という姿勢がうかがえる良書だと思います。アジア情勢の緊迫化や沖縄問題など、今足下で沸騰している問題の根本が書かれているので、とても勉強になります。
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上巻が2度に渡る大戦を中心としていたのに対し、下巻の本書は、政治の季節を終えた日本がどうやって経済主体の国作りをしていくか、そんな内容である。従って、政治を描いていく言葉以上に、経済を語る言葉、経済学や経営学で使われるような言葉でもって国の形が描かれるようになる。つまり、日本の動...
上巻が2度に渡る大戦を中心としていたのに対し、下巻の本書は、政治の季節を終えた日本がどうやって経済主体の国作りをしていくか、そんな内容である。従って、政治を描いていく言葉以上に、経済を語る言葉、経済学や経営学で使われるような言葉でもって国の形が描かれるようになる。つまり、日本の動向をあれこれ話そうという時、高度成長期やそれ以後のことは、経済の言葉が必要とされるのである。それだけ日本国民の意識や居場所は、経済活動に軸足を移していたのだろう。そう考えると、近年デジタル化が強力に推進されている点からも、ITの知識が国の形を語る上で欠かせなくなり、そのためのプログラミング教育必修ということだろうか。私は中年期に入るあたりから経済の学習に力を入れ、現実生活の維持・向上を図った面があるとはいえ、現実の流れはそれを上回るばかりに激しく変化し、そう思うと、恐ろしい気持ちになる。
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下巻では、1945年から89年までの歴史が語られています。 上巻と同様興味深く読みました。ただ、終戦を境に上巻と下巻に分かれているためにそうした印象を受けただけなのかもしれませんが、戦前および戦時期と戦後との連続性に関して、若干説明が手薄になっているような気がします。経済にかん...
下巻では、1945年から89年までの歴史が語られています。 上巻と同様興味深く読みました。ただ、終戦を境に上巻と下巻に分かれているためにそうした印象を受けただけなのかもしれませんが、戦前および戦時期と戦後との連続性に関して、若干説明が手薄になっているような気がします。経済にかんしては、近年野口悠紀雄が『戦後日本経済史』(新潮選書)で戦時経済体制が戦後の日本経済におよぼした影響について立ち入った考察を展開していますし、科学史の分野では廣重徹が早くからそうした問題について鋭い分析をおこなっていたことはつとに知られているとおりです。 また、朝鮮戦争やオイル・ショックなどの大きな振幅を孕みつつも順調に経済成長を遂げてきた戦後日本における文化や人びとの意識における大きな変化についても、もうすこし立ち入った説明がほしかったようにも思います。もっともこれは、ないものねだりに類する不満なのかもしれません。
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