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気になるガウディ とんぼの本
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気になるガウディ とんぼの本

磯崎新【著】

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気になるガウディ とんぼの本

定価 ¥1,760

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2012/07/27
JAN 9784106022340

気になるガウディ

¥550

商品レビュー

3.8

8件のお客様レビュー

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2020/11/25

磯崎新によるガウディについての解説。 ガウディ嫌いを公表していながらも、彼への関心は磯崎自身の作品にも反映している。 内容は主に、①ガウディの作品の変化、②ガウディ神話への嫌悪(表面的ではない真のガウディの解説)、③ガウディの構造合理性への狂気的な追究の3つで語られている。 ...

磯崎新によるガウディについての解説。 ガウディ嫌いを公表していながらも、彼への関心は磯崎自身の作品にも反映している。 内容は主に、①ガウディの作品の変化、②ガウディ神話への嫌悪(表面的ではない真のガウディの解説)、③ガウディの構造合理性への狂気的な追究の3つで語られている。 ①ガウディの作品の変化 1900年を境にしてガウディの作品には大きな変化見られる。1900年以前では、カタルーニャ・ヴォールト(カタルーニャ地方の独自の伝統技術であり、アーチを組む為の型枠を必要としない薄いレンガを用いた工法)を用いて、3次的な自由曲線を作り設計していた。1900年以降ではアーチや塔の設計の際に構造的合理性を追究するために多くの時間を費やした。また、磯崎新はカサミラ(1906〜1910)へのディテールへのこだわりの異常さを感じ、それはこれまでの作品の集大成であるとも評している。 ②ガウディ神話の嫌悪 「狂気を持ってサクラダ・ファミリアという奇抜な建築物を作り上げた人物」という典型的なイメージから、日本人からの絶大な人気を誇るガウディ。磯崎新はその人気をミッキーマウスの人気に例えて酷評した。日本のミニマム主義の対義にある彼のデザインの奇抜さと非合理さに人気の原因があると解説していながら、実際に彼の作品は構造に関して至極合理的なものであり、ガウディの実験精神の賜物であると述べている。 ③ガウディの構造合理性への狂気的な追究 ②でも述べた通り、ガウディのデザインは彼の幾重の構造実験で得た構造の合理性が忠実にあらわれているものである。そして、話題はサクラダ・ファミリアは完成されるべきかどうか、へと進む。彼の未完の作品であるサクラダ・ファミリア。現在その完成に向けて工事が進められているが、それは本当に彼の作品なのか、議論の余地はまだたくさんあるだろう、と磯崎新は疑問を投げかけていた。というのもガウディは図面をほとんど描かず、現場で施工が進むにつれ変更を加え完成させる人物であった。そのためサクラダ・ファミリアに関する平面図と完成はかけ離れているとも考えられ、また、彼が描いた立面は降誕のファサード1面しかない。そのような理由から、磯崎は憶測で施工を進めるのであれば、それはもうガウディの作品ではないと述べ、またサクラダ・ファミリアを「ガウディ建築」として完成させることに意味はあるのか、と苦言を呈した。 最後に磯崎新は、ガウディを嫌いと公言していながら、自身の建築が彼に影響を受けていることを認め、やはり彼から学んでいるところはあると述べた

Posted by ブクログ

2020/09/27

気になるガウディ (とんぼの本) (和書)2013年09月15日 00:45 磯崎 新 新潮社 2012年7月27日 磯崎新さんのガウディについての本は二冊目です。その本にも嫌いだと書いていたと記憶がある。それはガウディ好きの日本人が嫌いなのだそうだ。 ガウディがキッチュな...

気になるガウディ (とんぼの本) (和書)2013年09月15日 00:45 磯崎 新 新潮社 2012年7月27日 磯崎新さんのガウディについての本は二冊目です。その本にも嫌いだと書いていたと記憶がある。それはガウディ好きの日本人が嫌いなのだそうだ。 ガウディがキッチュなデザインでありそれが日本人の琴線に触れたと言いたい人が大勢いる。そういう評価もあるだろう。解りやすい二項対立で格付けできる。 しかし磯崎さんが言われるのはガウディが「カタルーニャ・ヴォールト」という工法をもちいその当時の限界を越えようとする姿勢があるのだという。 批評家が格付けするのは容易いがしかし当時の限界を越えようとするとは新たな格差をつけることを意味するのではない。格差の解消としての平等の哲学を見出すことなのだ。 そういう意味でガウディに哲学を見る姿勢もありえるだろう。 ガウディに哲学があるなら、彼の建築を至上とする格差を付けながら建築される「サグラダ・ファミリア」への疑問もありえるだろう。

Posted by ブクログ

2019/10/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

これまで色々とガウディ書を読んできたけど、ほとんどがガウディ礼賛の論調だったので、ガウディが大嫌いだと発言したほどの著者(磯崎新)の、違った見方が新鮮だった。 とはいえ、結局著者もガウディが嫌いなのではなく、ガウディが好きな日本人が嫌い・・・ということらしく、そこかしこにガウディに対する尊敬や愛を感じられたわけだけど。 紙面の半分以上は建築の写真がふんだんに使われており、もう、見ているだけでうっとり。 気が遠くなるくらい緻密な装飾や有機的で優美ななカーブ、曲線、目をひくファサード、内装・・・一体このひとの頭の中はどうなっていたんだろう。また、実際アウトプットして実現するだけの情熱・熱量もすごい。やっぱり神様っているんだな、と感じずにはおられない。 主に6つの建築の解説が入っているが、やはり私が好きなのはグエル公園とカサ・バトリョかなぁ・・・。死ぬまでにいつか必ず訪れて本物に触れてみたい。

Posted by ブクログ

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