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インド洋圏が世界を動かす モンスーンが結ぶ躍進国家群はどこへ向かうのか
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | インターシフト/合同出版 |
発売年月日 | 2012/07/09 |
JAN | 9784772695329 |
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インド洋圏が世界を動かす
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久々に読み応えがあり、知的刺激に富む労作でした。それにしても、アングロサクソンは、物事を俯瞰的に捉え、一つのテーマで絡め取ってしまう稀有な才能があります。読み終わると、見事にカプランのロジックでインド洋圏を見る自分がいました。 中国は敵対すべき相手ではなく、ソフトなパワーバランス...
久々に読み応えがあり、知的刺激に富む労作でした。それにしても、アングロサクソンは、物事を俯瞰的に捉え、一つのテーマで絡め取ってしまう稀有な才能があります。読み終わると、見事にカプランのロジックでインド洋圏を見る自分がいました。 中国は敵対すべき相手ではなく、ソフトなパワーバランスこそが、これからもリーダーシップを保持する米国の道だと説いています。「100人の思索家」とされる筆者の視点は胸に留め置きたいと思います。インド洋圏の国々の歴史や現状に無知であったので、基礎知識を得ることもできました。
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本書の著者、カプラン氏は元々は国際的なジャーナリストとして知られており、2008年からはワシントンにあるシンクタンク「新米国安全保障センター」の研究員の職につき、現在アメリカ国防総省の防衛政策協議会のメンバーでもあります。 本書は著者が実際にインド洋沿岸各国に赴いた時の経験をも...
本書の著者、カプラン氏は元々は国際的なジャーナリストとして知られており、2008年からはワシントンにあるシンクタンク「新米国安全保障センター」の研究員の職につき、現在アメリカ国防総省の防衛政策協議会のメンバーでもあります。 本書は著者が実際にインド洋沿岸各国に赴いた時の経験をもとに執筆されており、これらの国家の発展が21世紀の世界にどの様な影響を与えていくかと言う点のみならず、アメリカの政策に影響を与える立場にいる著者がそれらの動きに対してどの様な考えを抱いているかと言った点がうかがい知れる本となっています。 内容の方は1章でインド洋圏をめぐる中国とインドの動き等、この地域の将来見通しにふれ、21世紀は世界の中心はインド洋圏になると言う考えを紹介しています。 その後、アラビア半島の先端にあるオマーンから東へ順番にインド洋沿岸各国の内情を解説し、インドネシアまで紹介した後、中国のインド洋戦略の根底にある考えを解説。 そしてアフリカに戻り、海賊で有名になったソマリア、その南にある島、ザンジバル島について解説し本書を締めています。 本書によれば、 インド洋圏は元々モンスーンを利用した貿易活動により、ヨーロッパ人が侵入してくる以前から密接な結び付きがあったと言う点。 そして同地域は、貿易活動と共に普及したイスラム教の影響が強く見られる地域でもあると言う点。 この2点が将来の同地域、そして世界全体に強い影響を与えるようです。 また、アメリカ、中国、インドと言った現在の大国、および大国化への途上にある国々でも支配的な立場を確立することはできず、代わりに同地域の貿易システムが同地域、ひいては世界全体への影響力を持つようになるとの事。 つまり著者は、突出したパワーを持つ大国が世界秩序を構築する時代は終わり、アメリカ海軍の艦艇数の減少や中国とインド海軍の増強等により、これまでアメリカのみが保証してきたインド洋の安全が、日本や韓国なども含めた複数国家の手によって保証される未来が待ち受けているかもしれないと予想しています。 そして、そのような世界において、アメリカは津波などの大規模災害時の緊急救助活動を通して、同地域において少なくとも必要とされる存在となる事を目指すべきと主張しています。 本書には、日本ではあまり報じられることの無いインド洋圏各国の強みや弱味、マラッカ海峡やホルムズ海峡と言った”急所”を避けようとする中国の動きなど、興味深い内容が多数記載されています。 また、実際に著者が現地に赴いたときの様子(風景や現地であった人々の様子など)と言った内容もあり、旅行記的な側面もある一冊となっています。 原著の出版が2010年の為、内容が若干古めの所もありますが、視野が広がるのは間違いがない本となっていますので、興味のある方は一読されては如何でしょうか。
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