看板学部と看板倒れ学部 大学教育は玉石混交 中公新書ラクレ

倉部史記【著】

• 販売会社／発売会社: 中央公論新社
• 発売年月日: 2012/07/10
• JAN: 9784121504227

商品レビュー

2014/11/09

大学関係者として耳の痛い話のオンパレード．
こういう厳しい時代だからこそ，ちゃんとした取り組みができるのかどうか，それが真剣に問われている．
大学というのは教育機関であって，企業とはまったく違うものである．
だから理念よりも存続することを優先しようとする時点でもう価値を失っている．
そんなことを考えさせられた．

2014/10/18

　志願者数を多くすることばかりを大学側は考えるために、あえて「中身を伝えない」という戦略を取っているという事実を紹介し、よりよい学部選びはいかにしてなされるべきかを提案する本。そういう意味では高校生や高校教員向けの本であると言える。
　特に「同じ学部名称でも、内容には違いが」という章は、非常に参考になる。例として「環境情報学」が挙げられているが、学問分野自体が未成熟なものについては、注意が必要、ということが分かる。関係ないけど、最近マンションの広告をよく見ているが、全然内容を伝えないけど言葉の響きは格好がいいようなイメージ先行型の広告が多い気がするが、学部の名前も同じようなものらしい。「『国際』『子ども』『コミュニケーション』『ビジネス』『心理』『情報』『環境』『スポーツ』などの言葉」(p.120)を適当に二つ組み合わせてみると、それっぽい名前ができる、というのは妙に納得した。「珍しい学部」でネット検索してみたら、「グローバルメディアスタディーズ学部」とか冗長な感じだし、はたまた「経営成功学部」とかは完全に宗教だし、違和感を感じずにはいられない。
　最後の第六章「これからの学部選びを考えよう」では、高校生（やその親）の色々な「思い込み」が紹介されており、大学選びを通して自らの将来を考えるにあたってはぜひ読んだ方が良いと思う。(14/10/13)

2014/06/01

立教大学の観光学科は1967年に設立された。看板学部だった。
留学生に人気なのは、経営を学ぶ学部。
リベラルアーツ教育が普及しているアメリカの大学でも、どの分野に強い大学かという大学ごとの細かなランキングが存在している。