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またやぶけの夕焼け
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またやぶけの夕焼け

高野秀行【著】

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またやぶけの夕焼け

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 集英社
発売年月日 2012/07/05
JAN 9784087714586

またやぶけの夕焼け

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商品レビュー

3.8

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2015/05/06

著者と年齢が近いせいか、小学校の時のバカ男子のあれこれが思い出され、本当におかしく、懐かしく切なくなった。 昔の小学生は近所の年齢の近い者同士が一緒に遊ぶのが普通だった。もちろん好き好んでではなく、親に「弟(妹)も連れていけ!」ときつく言われて仕方なく一緒に遊ぶのだけど、はじめは...

著者と年齢が近いせいか、小学校の時のバカ男子のあれこれが思い出され、本当におかしく、懐かしく切なくなった。 昔の小学生は近所の年齢の近い者同士が一緒に遊ぶのが普通だった。もちろん好き好んでではなく、親に「弟(妹)も連れていけ!」ときつく言われて仕方なく一緒に遊ぶのだけど、はじめはお味噌だった年少者が、遊ぶにつれ力をつけ、それなりの立ち位置を確保するのは、今考えれば非常に有意義なことだったなあと思う。 そして、男子ならではのどうでもいい(と大人や女子には思える)ことに命がけになって夢中になっていた。 そういう少年が、早稲田に行って冒険家になっていると考えると、勉強はやる気が出てからでも遅くない、好きなことに夢中になれるベースを作ることが子ども時代には本当に大事なんだと思える。 著者のように有名にならなくても、きっとカッチャンもシゲオもミンミンもユーリンも少年時代に悔いは残していないだろう。 それを思うと今の子どもって本当に可哀想だ。親の目の届く範囲で、大人のつくったルールで、大人の作ったおもちゃで、汚れず怪我もしない遊びしかできないなんて。そういう子たちだから、逆にいつまで経っても大人になれず幼児性を引きずるのかもしれない。 この本の少年たちのように遊んでたら、野球やゴルフや超常現象、歴史、生物、発明、…いろんなことに興味を持つことになる。自発的に。自然に。 親が「科学実験教室」や「農村体験」に入れても、これほど子どもの心を刺激しない。所詮大人が考えることだもの。 本自体はノスタルジーを廃し、情緒的にもならず、カッチャン軍団の活動を描いただけだが、読んでいるこちらがいろんなことを考えさせられた。 子どもがいる大人は読んでみて、時には冒険させてあげてほしいな。

Posted by ブクログ

2013/07/16

こういうハチャメチャな少年時代を過ごした子どもが、大きくなったら早稲田大学探検部に入るのか、と納得させられる、作者自身の少年時代を描いたであろう小説。 昭和のわんぱく坊主どもが繰り広げる冒険の数々。 子どもたちの生活が生き生きと描かれている。 あの頃はいい時代だったなあ、と。 自...

こういうハチャメチャな少年時代を過ごした子どもが、大きくなったら早稲田大学探検部に入るのか、と納得させられる、作者自身の少年時代を描いたであろう小説。 昭和のわんぱく坊主どもが繰り広げる冒険の数々。 子どもたちの生活が生き生きと描かれている。 あの頃はいい時代だったなあ、と。 自分にとっても遥か昔の楽しかった子ども時代を思い出せてくれる楽しい本でした。

Posted by ブクログ

2013/03/18

あははは、あんたたちバカだねえ!ほんとにもう、小学生男子っていうのはしょうがない。昭和の匂い立ちこめる高野さんの自伝的小説、懐かしさでいっぱいになりながら楽しく読んだ。 東京でも七十年代にはまだこんな田舎があったんだなあ。野原や河原や林を駆け回るカッチャン軍団は、そのまんま子供...

あははは、あんたたちバカだねえ!ほんとにもう、小学生男子っていうのはしょうがない。昭和の匂い立ちこめる高野さんの自伝的小説、懐かしさでいっぱいになりながら楽しく読んだ。 東京でも七十年代にはまだこんな田舎があったんだなあ。野原や河原や林を駆け回るカッチャン軍団は、そのまんま子供の頃の身近な男子たちの姿だ。女子的には「バカ」としか思えないつまらないことや、時として無謀なことに血道をあげ、やたら汚く、やかましく、まあ本当に昭和の男子たちはどうしようもないもんだった。むやみやたらなエネルギーに満ちた日々が、くっきりと再現されていて秀逸。 こういうものってどうしても「オトナの自分が振り返った子供時代」になりがちだ。後知恵での「解釈」が入り込んでしまう。本作にはそれがほとんど感じられない。そこがいい。語り手のヒデユキ少年と一緒に、読む側も子供の頃の感覚に浸っていける。その日その日の出来事だけでいっぱいで、すぐに笑い、たやすくしょげ返る。未来や世界はまだまだ遠く、ぼんやりとかすんでいる。そんな気分をすごく久しぶりに思い出した。 高野ファンとしては、ヒデユキ少年が「お母さんの言うことをよくきくいい子」だった、というのも見逃せないところ。弟の「ユーリン」が生き生きと描かれているのとともにほほえましい。

Posted by ブクログ

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