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国宝神護寺三像とは何か 角川選書509
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 角川学芸出版/角川グループパブリッシング |
発売年月日 | 2012/06/25 |
JAN | 9784047035096 |
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国宝神護寺三像とは何か
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商品レビュー
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5件のお客様レビュー
歴史学者による神護寺三像に関する研究結果をまとめた本。神護寺三像については、以前から学会でも描かれているのが源頼朝なのかどうかで論争になっていたが、本書は、緻密な研究結果を論理的、学術的かつわかりやすくまとめている。結果、絵は源頼朝でないことがほぼ確定的であることがわかった。説得...
歴史学者による神護寺三像に関する研究結果をまとめた本。神護寺三像については、以前から学会でも描かれているのが源頼朝なのかどうかで論争になっていたが、本書は、緻密な研究結果を論理的、学術的かつわかりやすくまとめている。結果、絵は源頼朝でないことがほぼ確定的であることがわかった。説得力があり、とても興味深い内容であった。
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神護寺所蔵の3つの大きな肖像画(「源頼朝」像、「平重盛」像、「藤原光能」像)をめぐっては、古くからその作者や作成時期、肖像の人物について疑問が呈示され、特に近年はこれを南北朝期に作成された足利直義・尊氏・義詮像とみなす「新説」が市民権を得つつあるが、本書はその新説の集大成と言え...
神護寺所蔵の3つの大きな肖像画(「源頼朝」像、「平重盛」像、「藤原光能」像)をめぐっては、古くからその作者や作成時期、肖像の人物について疑問が呈示され、特に近年はこれを南北朝期に作成された足利直義・尊氏・義詮像とみなす「新説」が市民権を得つつあるが、本書はその新説の集大成と言える内容で、美術史学ではともかく、少なくとも一般史学においては一連の論争に終止符を打った著作と評価しうる。画像の内容・様式から鎌倉初期の作品ではありえないこと、1345年の「足利直義願文」の内容から直義の発願により神護寺に肖像が納められたことが確認できることなどは、米倉迪夫ら既出の研究を追認しているが、本書オリジナルの研究成果として、足利直義がなぜ神護寺に肖像を安置させたのか、その政治的・宗教的理由と背景を明快に示したこと、なぜこれらの肖像が治承・寿永内乱期の人物画像として伝来したのか、整合性のある仮説を提起したことは重要であろう。神護寺三像の「真実」の追求にとどまらず、観応擾乱期の政治史に見直しを迫っている点も見逃せない。
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教科書などで「頼朝像」と思い込んで来た絵が実は足利直義であったとする大変面白い本。同じテーマで米倉迪夫「源頼朝像 沈黙の肖像画」を読んだ時も知的好奇心が掻き立てられましたが、本書は美術史的アプローチではなく、絵画史料論から、絵絹、大きさなどに切り込んでいき、数多の文献を渉猟し、大...
教科書などで「頼朝像」と思い込んで来た絵が実は足利直義であったとする大変面白い本。同じテーマで米倉迪夫「源頼朝像 沈黙の肖像画」を読んだ時も知的好奇心が掻き立てられましたが、本書は美術史的アプローチではなく、絵画史料論から、絵絹、大きさなどに切り込んでいき、数多の文献を渉猟し、大胆に推理した仮説を展開するもので、スリリングな好奇心の渦の中に巻き込まれます。いや〜、面白い本でした。
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