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鉄のあけぼの(上)
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鉄のあけぼの(上)

黒木亮【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 毎日新聞社
発売年月日 2012/06/27
JAN 9784620107837

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商品レビュー

4

8件のお客様レビュー

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2019/07/06
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※このレビューにはネタバレを含みます

上下合わせての感想。戦後初の銑鋼一貫製鉄所を建設し、高度経済成長の原動力ともいえる製鉄業の興隆に貢献した、川崎製鉄(現JFEスチール)創業者である西山弥太郎氏の物語。 読んでいてとにかく思ったのは、資本金と比較して約33倍もの設備投資を行いながらも、メインバンクや三鬼隆ら業界の大物を味方にし、ケチで有名な土光敏夫氏ですら「石川島を潰さないでくださいよ」と言うほどの値切りを行い「お宅のワイヤーロープが安けりゃ買います」と言わせるほどのタフなネゴシエーターであり商売人でありながら、製鉄業随一の技術屋経営者であるというこの一面は圧巻される。 常識で考えれば、川崎製鉄の設備投資は過剰投資なのだが、それを成功させるだけの計画を練り上げながら、同時に高度経済成長期という波に乗る勝算を感じながらも川崎製鉄を文字通りの大企業にしていった手腕は感服する。

Posted by ブクログ

2019/01/03

2012.12記。 黒木亮氏の最新作は、戦後間もない時期の川崎製鉄社長、西山弥太郎が主人公。爆撃を受けて廃墟となった千葉の埋め立て地に世界最新鋭の製鉄所を作る夢を描き、徹底的な執念でそれを実現していく。 西山社長の類まれな人間力もさることながら、著者は相変わらず実務上の課題を...

2012.12記。 黒木亮氏の最新作は、戦後間もない時期の川崎製鉄社長、西山弥太郎が主人公。爆撃を受けて廃墟となった千葉の埋め立て地に世界最新鋭の製鉄所を作る夢を描き、徹底的な執念でそれを実現していく。 西山社長の類まれな人間力もさることながら、著者は相変わらず実務上の課題を一つずつ描く。水の確保、漁業補償、自治体との協議・・・ そんな中、金融小説の第一人者である黒木氏が一番力を入れているのはやはり世界銀行との融資交渉。市中行による保証だの財務制限条項だのを巡る厳しい条件に手に汗握る一方、こんなの専門知識のある人以外興味あるのかな?とも思うが、ふと気が付くと自分も、高炉内の成分の配合で苦労する話など門外漢の内容について結構面白く読めてしまっているのであった。サラリーマン仕事の醍醐味を伝えるセンスはさすが。 印象的なのは、最新の技術を学ぶために米国の製鉄所に向かう若手技術者に西山社長が伝える「飛行機が落ちても帰ってこなければいかんぞ」という言葉。失敗すれば国さえ傾くプロジェクトで、米国から得る知見はまさに生命線だったのだろう。文字通り生きて戻れる保証もなかった遣唐使の時代から、日本はやはり多くのことを外国から教えてもらって今に至ったことを忘れてはならないと感じた。 読めばわかるとおり、西山社長のやり方は今日的なマネジメントとしては議論もあるのかもしれない。それでも、日本全体が製鉄所さながらに熱を発していた時代のがむしゃらな前進力を今こそ取り戻そう、というのが著者のメッセージではないだろうか。

Posted by ブクログ

2015/06/28

2015/06/28読了 川崎製鉄(現JEEスチール)の創設者、西山弥太郎の評伝である。 西山東大の冶金を出たあと、当初は転職を考えるなど嫌々ながらも趣味が仕事、といった形でまさに仕事だけやる人間である。 その努力が認められ、トップに立つ。 その後、川崎製鉄の創立と当時最新...

2015/06/28読了 川崎製鉄(現JEEスチール)の創設者、西山弥太郎の評伝である。 西山東大の冶金を出たあと、当初は転職を考えるなど嫌々ながらも趣味が仕事、といった形でまさに仕事だけやる人間である。 その努力が認められ、トップに立つ。 その後、川崎製鉄の創立と当時最新鋭の高炉の建設を行う。 戦前・戦後の混沌とした時代背景にも関わらず、自らの理想を貫いて日本の鉄工業の発展に尽くした様が描写されている。 やや神格化しすぎている気もするが、面白かった。

Posted by ブクログ

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