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私小説名作選(上) 講談社文芸文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2012/05/12 |
JAN | 9784062901581 |
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私小説名作選(上)
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商品レビュー
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田山花袋「少女病」を収録しているので読む。ロリコンとストーカー気質のある男性の通勤風景を描いた小説で、なかなか面白い。 志賀直哉「城崎にて」は十数年ぶりの再読だが、死への親近感がテーマで、こんなに虚無的な作品だったとは知らなかった。 他に印象的だったのは、 妻子を捨てて女と...
田山花袋「少女病」を収録しているので読む。ロリコンとストーカー気質のある男性の通勤風景を描いた小説で、なかなか面白い。 志賀直哉「城崎にて」は十数年ぶりの再読だが、死への親近感がテーマで、こんなに虚無的な作品だったとは知らなかった。 他に印象的だったのは、 妻子を捨てて女と駆け落ち、上京した嘉村磯多「崖の下」 戦時中の釣り人を観察した梅崎春生「突堤にて」 死んだ友人から鯉をもらった井伏鱒二「鯉」 家族とのやり取りが楽しい尾崎一雄「虫のいろいろ」 夭逝した彫刻家との交流を描いた上林暁「ブロンズの首」 助手の速記者との不倫を描いた和田芳恵「接木の台」 など。 (おそらく)戦後の作品になると途端に読みやすくなる。太宰治も十数年ぶりに読んだが、案外悪筆で、自分の外見を気にする様がうかがえる。
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梅崎春生の「突堤にて」読んだけど、あまりピンとこなかった。『怠惰の美徳』に収められた「防波堤」のほうが好き。「防波堤」は、最後に主人公が虚無から脱するところに惹かれたんだと思う。 それ以外の短編もあまりピンとこないものが多かった。ただ、近松秋江「黒髪」の最後、女の底知れなさのよ...
梅崎春生の「突堤にて」読んだけど、あまりピンとこなかった。『怠惰の美徳』に収められた「防波堤」のほうが好き。「防波堤」は、最後に主人公が虚無から脱するところに惹かれたんだと思う。 それ以外の短編もあまりピンとこないものが多かった。ただ、近松秋江「黒髪」の最後、女の底知れなさのようなものにゾっとした。
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私小説、と聞くとやはり興味はそそられるが、読んでいくうちに、筆者たちが「自分がいかにひどい人間か」を人目にさらすことで、ある種の快感を得ているマゾヒスト集団に思えてきた。
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