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順伊おばさん 新幹社選書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新幹社 |
発売年月日 | 2012/05/09 |
JAN | 9784884000974 |
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順伊おばさん
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韓国国内において「4・3事件」を扱った初の作家による短編集、らしい。 済州島というさほど大きくない島で、一部の左翼の青年ら(というのが非常に荒っぽい人々だったようだが)を「討伐」しようと陸地(韓国本土)からやってきた警察、軍隊らが一般住民までもを誰彼構わず虐殺したという事件。 ...
韓国国内において「4・3事件」を扱った初の作家による短編集、らしい。 済州島というさほど大きくない島で、一部の左翼の青年ら(というのが非常に荒っぽい人々だったようだが)を「討伐」しようと陸地(韓国本土)からやってきた警察、軍隊らが一般住民までもを誰彼構わず虐殺したという事件。 左翼でも右翼でもない、いわゆる普通の一般市民らは、夜にはハルラ山でゲリラ活動をしている左翼青年らに脅され、昼には左翼に加担したとして警察に連行、拷問されるという板挟みの状況に陥ったという。 逃げ場のない島で板挟みになり、多くの人々が為す術もなく虐殺されたこの事件は、島が平定されて数十年経っても島の人々を苦しめ続けた。同じ島の中で敵味方に分かれて殺し合った、それゆえの罪悪感を皆が心にじっと秘めて生きているのだ。 同書は済州島の出身であることを憎んだり、コンプレックスに思う人、間接的に親を殺めた隣人に復讐をしようと決意しながらも果たせない人・・・そういった人々を主人公に据えた短編集である。 この短編集は、4・3事件がどういったものだったかについてはまったく触れていない(韓国本土の人々はこの事件についてあまり知らないにもかかわらずだ)。思想的な背景についてもまったくといっていいほど説明してない。 それにもかかわらず、この小説は出版後に発禁となり、作者が監禁、拷問され、その後もその後遺症に苦しんだという。 4・3事件というものがどれだけはれものを触るような扱いを受けているか、よく分かるエピソードだ。 事件についての知識だけではわからない済州島の人々の恨(ハン)を、少しだけ、理解することのできる小説だと思う。
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