宿命の婚姻 Luna Novels

剛しいら【著】

• 販売会社／発売会社: ムービック
• 発売年月日: 2012/05/09
• JAN: 9784896018394

商品レビュー

2014/04/26

怪しげな秘術や薬なんかがでてきてエロエロ展開を期待してましたが、そういう突飛なエロはなくて物足りなく感じました(笑)
なぜ儀式の説明がないのだろうかと思ったのですが、儀式の目的と共にじわじわ全体像が見えてくる感じのようです。
エロより設定や情景描写の厚みで楽しみました。

2012/05/12

友人に頼まれ、故郷に行ったまま行方不明になった友人の婚約者の兄・葵を捜しに向かったテレビディレクターの安生。そこは常識では理解できない、因習にとらわれた閉鎖的な山里。見つけ出した葵は、村の祭で女神・イザナミになるよう強要されていました。
そして、村人に囚われた安生は男神・イザナギとして葵の夫になるよう命じられて。

いいですね。神秘的な因習がらみで、無理矢理生贄になる悲惨な美人を助け出そうとする、果敢な攻という図です。しかも、攻まで捕まってしまい、男神に仕立てられ、衆人環視状態でHの相手をさせられることに。ベタだけど萌える設定。
そして、祭での行いが、非科学的な理由ではないというのも地に足が着いた現実味があって、いまどき感が出てました。裏があるんですね。興ざめするまでいかない匙加減の生々しさが程よかった。
ただ、いろいろ回収されていない伏線などもあったり、大きな問題は終結していないような感じがあって、もやもやさせられたところも。テレビディレクターという職業をもっと生かして、悪をぶっつぶしてくれたらスッキリしたはず。

この手の話だと、気になるのはやっぱりエロ。設定が男同士の夫婦神と聞いただけで、とてもやらしくて萌えるのですが、どちらかというといやらしいというよりは、幽閉されるうち二人の心がしだいに寄り添っていくHシーンというかんじで甘い系。しっとりラブがすてきです。
でも、もっとエロが変態でもよかったかなと思うのは私だけ？このジャンルのエロはぶっとんだものが大量流出しているので、その点から言うとちょっとヤワでしたね。
ただ、イラストが小山田ｾﾝｾなので、裏表紙、口絵が肌色率高い！書店でカバーかけてもらう時には羞恥プレイ確定です。
陵辱はほとんど無しなので痛くありません。
そこは安心なんですが、それより魔の手から逃れる場面が手に汗握ります。サスペンス的にヒヤヒヤドキドキさせられました。安生と葵が夫婦神にされて、その後どうなるのか気になって、どんどん読み進んでしまった。果たして無事に村から逃げ切ることができるのか？
面白くて読み応えがある因習ものです。