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宮中のシェフ、鶴をさばく 江戸時代の朝廷と庖丁道 歴史文化ライブラリー344
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 吉川弘文館 |
発売年月日 | 2012/04/20 |
JAN | 9784642057448 |
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宮中のシェフ、鶴をさばく
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宮中のシェフ、鶴をさばく
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鶴は鳥である。ならば、食べられるのか!というなんとも単純な驚きから手に取った本。鶴は権力者にとって贈答品であったそうだ。徳川家康は鷹狩りで狩って朝廷へ献上していたそうである。そして天皇の前で鶴をさばくことが儀式化され、厳格な作法が出来上がり、鶴包丁と呼ばれるようになった。なんとも...
鶴は鳥である。ならば、食べられるのか!というなんとも単純な驚きから手に取った本。鶴は権力者にとって贈答品であったそうだ。徳川家康は鷹狩りで狩って朝廷へ献上していたそうである。そして天皇の前で鶴をさばくことが儀式化され、厳格な作法が出来上がり、鶴包丁と呼ばれるようになった。なんとも不思議な世界(真面目にさばき方を考える)もあったものだなあとしみじみ感じる。有職故実の世界に身を置ける1冊。
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まな板の上の食材には手を触れず、刀と箸で見事にさばいていく「庖丁道」。 脈々と受け継がれてきたこの伝統を受け継いできた家の変遷を探る。 鶴というのはおいしいものなんだそうだ。天然記念物となった今ではもちろん、食べられないわけだが、一が鶴、二が白鳥だったか雁だったか、そして三が鴨...
まな板の上の食材には手を触れず、刀と箸で見事にさばいていく「庖丁道」。 脈々と受け継がれてきたこの伝統を受け継いできた家の変遷を探る。 鶴というのはおいしいものなんだそうだ。天然記念物となった今ではもちろん、食べられないわけだが、一が鶴、二が白鳥だったか雁だったか、そして三が鴨の順のおいしさだという話をどこかで聞いた。 本書によれば、江戸時代には、貴重ではあるが、お祝いの時には庶民でも食べられるものだったようだ。鶴であることを証明するため、脚の筋を添えるのが慣習だったという。将軍家や大名は饗応や贈答品としてよく利用したようだ。 本書の主題は「庖丁道」である。天皇や公家の前で鶴をさばく、一種の料理ショーのようなものか。 タイトルから、この鶴のさばき方や料理の仕方の本なのだと思ったが、これは誤解だった。この庖丁道を守る家がどのように続いてきたかを述べる歴史書である。将軍家や宮中の食事内容についての章もあるが、比較的簡単な記述となっている。 ちょっと興味からはずれた内容であったため、さらりと通読。 結論として述べれば、公家にあたる「四条家」(藤原鎌足の孫、房前の五男、魚名に始まる)が看板となり、地下官人(じげかんじん)の「高橋家」「大隅家」が実際に庖丁道を継承してきたことになる。昇殿できない地下官人は裏方となり、堂上公家(昇殿可能な家柄)の四条家が表向きの家元となったということのようである。 各家の成り立ちや紆余曲折については、丁寧に文献にあたって探られているので、興味のある方は手にとってみるとよいかもしれない。 *出版社が吉川弘文館であるのを見るべきだったというところか・・・。 *地下官人・高橋家の祖先は紀長谷雄。庖丁道の祖とされる藤原山蔭を祀った山蔭神社が吉田神社の中にある。池禅尼の従兄弟にあたる藤原家成は、四条家の人で、鳥羽上皇の前で庖丁さばきを披露したという。 *庖丁道というと、鯉をさばいているところの方が思い浮かぶのだが。これは神様にお供えという意味が強いものなのか。神社への奉納が主となると天皇家との絡みとはまた違う絡みになって、存続の仕方もまた違ってくるのだろうか。 *今はさすがに鶴を天皇の前でさばくこともないのだろうけれど、最後はいつだったものか。 *あとがきにちょっと書かれていた、同じ動物をさばくのでも牛馬の処理は卑賤視されがちなのに、「庖丁道」はなぜ公家家職として残ってきたのかという視点はとてもおもしろいと思う。「ケガレ」や身分差別について、考えるヒントになりそうだ。
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