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B.A.D.(8) 繭墨は髑髏に花を手向けない ファミ通文庫
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B.A.D.(8) 繭墨は髑髏に花を手向けない ファミ通文庫

綾里けいし【著】

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B.A.D.(8) 繭墨は髑髏に花を手向けない ファミ通文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 エンターブレイン/角川グループパブリッシング
発売年月日 2012/04/28
JAN 9784047279902

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商品レビュー

4.2

5件のお客様レビュー

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2025/07/03
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※このレビューにはネタバレを含みます

 ヒルガオの死に接し、再び狂ってしまった雄介。彼は復讐を決意し、小田桐さんはそれを止めようとする構図。  相も変わらず察しが悪い小田桐さんだけれど、誰かを救いたいという思いだけは本物で、だからこそ彼は救えなかった事に涙するのでしょう。  雄介が戻ってこれるのか次巻を楽しみにしています。

Posted by ブクログ

2024/12/25

ヒルガオが死に雄介は壊れてしまった 前々から手の施しようの無い人物では有ったけど、一緒に馬鹿が出来る程度には社会に紛れ込める人間性は持ち合わせていた。けれど、ヒルガオの死は雄介を決定的に壊してしまうね 人間性を捨て去った彼を小田桐は全く制止できない。彼にすら暴力を向けてあさとや舞...

ヒルガオが死に雄介は壊れてしまった 前々から手の施しようの無い人物では有ったけど、一緒に馬鹿が出来る程度には社会に紛れ込める人間性は持ち合わせていた。けれど、ヒルガオの死は雄介を決定的に壊してしまうね 人間性を捨て去った彼を小田桐は全く制止できない。彼にすら暴力を向けてあさとや舞姫を殺そうとする雄介は手遅れとしか思えない この巻ではそんな雄介を始めとして、手遅れで救いの無い相手に対してどのように救いの手を差し伸べるのかという点が描かれていた気がするよ StoryⅠの少女達は典型例 狐のゲームとして舞台を用意されながらも放置されていたが為に、そしてルール違反をしてしまったが為に救いが消え去ってしまった少女達 また、一つの体から頭が3つ生えている異様も、自分達の親を殺してしまった罪も何から何まで救いが有るなんて思えない。だから少女達も絶望していた。何の意味も無い死を望む だというのに、諦めが悪い小田桐は彼女らを助けようとしてしまうんだねぇ⋯⋯ 勿論そこには自分が誰かを殺すなんてしたくないという自己中心的な考えは有るかもしれないけれど、同時に足を折ったって彼女らを助けてやるとも豪語している。小田桐は本気で救いようがない彼女らに救いの手を差し伸べようとした そうした温かみを受けられたからこそ、彼女らも意味の有る死へと自らを走らせたのだろうね⋯ 菱神とて既に救いのない存在。というより、これまで通りの救いを手にしようとしても、自らは人形である事実がどうしても邪魔をして従前の生活へと戻れない だから本物の己を解剖して、偽物の己を解体してしまった。おまけに自身の破壊に他者を巻き込むようになったなら最早手に負えない。壊れてしまった彼に救いが有るとは思えない 対して、舞姫が示したのは偽りの救いかな 施術をしたとて菱神が望む『本物』には成れはしない。けれど自身の造り手である人形師が本物と同じにすると言った。理性が崩壊しかけた彼にとって、差し伸べられた手が本物であるかに関わらずそれが救いであるならば掴む以外の選択肢はなかったのかもしれないね StoryⅢの鎖少女は極めつけ⋯⋯ 今の小田桐は雄介を救いたいと思っている、まだ救えると夢見ている。そんな彼から救ってやってくれと頼まれたならお人好しで愚か者な小田桐が見捨てられる訳がなくて けれど、助ける対象はそもそもが人買いの施設に囚われていた少女。無事で居ると信じる方がどうかしている環境 でも、施設を訪れた当初の小田桐が人買いの生存に疑問を覚えていなかったように、小田桐の察しの悪さは同じように察していなかった者にとって救いとなる事が有るのかもしれない それは雄介が頼り、そしてあざかですら認める小田桐だけの特性だね ただ、小田桐が向き合う事になった真実はあまりに悲惨で残酷で絶望的で何も救いが無い代物だったけどさ⋯⋯ 三人の少女達や菱神には欺瞞であっても何か差し伸べられた。けれど、あの鎖少女に関して出来る事なんて何も無い。というか、唯一差し伸べられる行為が死亡宣告だけだなんて本当に救いが無さ過ぎる⋯⋯ それでも小田桐が優しく抱え揚げて外に出してやれたなら、何も救いがなかった少女にとって仮初でも救いとなったのかもしれないね⋯⋯⋯ そしてこの巻の本丸と言えるのは雄介 小田桐が彼を友人扱いしているから忘れがちだけど、彼はもう救いが無いし救われてもならない人間に見えてしまう 大切にしたかった家族には死なれて、代わりに父親を殺して他にも人間を殺している。そうして今はヒルガオを喪った苦しみに狂って誰かを傷つけようとしている そんな彼に救いの手を差し伸べる人間は普通居ない ここで事態を難しくするのは小田桐は彼の救い主ではなく、憎むべき相手の一人である点だね 雄介は小田桐と友人みたいな付き合いを出来ていたかもしれないが、ヒルガオの件で小田桐を許せなくなった。だから彼に何を言われても救いとならない 最早救いが無いと判る一瞬、そこにこそ救いがあると信じられる小田桐はやっぱりお人好しだよなぁ 小田桐は雄介に救いの手を差し伸べられないかもしれない。でも、代わりに雄介にはまだ救いの余地があるかもしれない。小田桐の言葉はそれを教えてくれるものだね 雄介は何処かへ去り、入れ替わるように久々津は救いを失った また、この巻では陰が薄かったあさととて救いようがない境遇で微かな救いを求めている そんな彼らと改めて向き合う中で小田桐は何が出来るのだろうね?

Posted by ブクログ

2021/06/27

ヒルガオが首を吊って死んだ。それをきっかけに壊れてしまった雄介は死の原因の一端の絡繰舞姫、繭墨あさとの殺害を試みる。舞姫とあさとを守ろうと動く小田桐だが、守る対象は所在不明、それぞれがどう考え、どう動くのか。 雄介の話だが、前作に続き舞姫が出突っ張りだ。そして、異能者は考え方がぶ...

ヒルガオが首を吊って死んだ。それをきっかけに壊れてしまった雄介は死の原因の一端の絡繰舞姫、繭墨あさとの殺害を試みる。舞姫とあさとを守ろうと動く小田桐だが、守る対象は所在不明、それぞれがどう考え、どう動くのか。 雄介の話だが、前作に続き舞姫が出突っ張りだ。そして、異能者は考え方がぶっ飛んでいて、もはや小田桐すらも普通ではない。なので、雄介の悲しみに共感出来し、寄り添える人がいないのが切ない。強制的に気分のスイッチを切り替えて生活する雄介は日常生活でON/OFFを繰り返す読者と感覚はそう変わらないのかもしれない。それだけに読者としては雄介の言動に共感し、心配し、この先の幸せを望む気持ちが生まれた。

Posted by ブクログ

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