わたし“前例
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わたし“前例"をつくります 気管切開をした声楽家の挑戦

青野浩美【著】

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わたし“前例

定価 ¥1,980

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 クリエイツかもがわ
発売年月日 2012/04/25
JAN 9784863420755

わたし“前例"をつくります

¥220

商品レビュー

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2012/08/14

気管支の切開手術を受けた著者。 切開すると声が出ないというのが定説ですが、彼女は声楽家として現在も活動しています。 読んで励まされる人、希望を持てる人がいるのではないでしょうか。

Posted by ブクログ

2012/06/18

医療にかぎらないが、"前例がない"というのは、ときに「やる気ない」というだけちゃうんかと思うことがある。あるいは知らんだけとちゃうかと思う。病気の診断にしても、治療の選択にしても、予後がどうとかにしても、それなりの臨床例の積み重ねがあるのだとは思う。でも、やっ...

医療にかぎらないが、"前例がない"というのは、ときに「やる気ない」というだけちゃうんかと思うことがある。あるいは知らんだけとちゃうかと思う。病気の診断にしても、治療の選択にしても、予後がどうとかにしても、それなりの臨床例の積み重ねがあるのだとは思う。でも、やったことがないことは、わからへん。見たことがないものは、ないのと同じ。 医療の"前例"に照らすと、同居人が11年前にやった病気は「悪性」だった。「悪性のような良性」「良性のような悪性」と、どっちやねん、なんやねんと思うことばにふりまわされた数ヶ月。最終的に担当医たちは、自分たち自身が線を引き直す経験だった、というようなことを言っていた。 "前例"がなかった臨床例、それが青野さんの喉の穴。 命をつなぐため、青野さんは数年前に器官切開をした。喉に穴を開けたら、歌うどころか、話すことだって難しいと言われている。それが医療の常識だった。 喉に穴が開いて、それでも青野さんは歌っている。そこに至るまでには、タイトルにあるように「わたし"前例"をつくります!」という思いと、それに向けて可能性を探った日々があった。 大学卒業を前に、青野さんの身体に異変が起きる。体中から力が抜けて、動けなくなった。リハビリの甲斐あって、車椅子で移動できるようになったが、どれだけ検査をしても「異常なし、なぜからだが動かないのか原因不明」のままだった。 それでも異変の前と変わらぬように、車椅子で青野さんはとびまわっていた。そんなある日、無呼吸発作が起きる。声楽家としてやってきた青野さんは、気管切開して呼吸器をつけるかどうかでものすごく悩む。「命があったら歌えるかもしれへんやろ。命がなかったら歌もくそもないんちゃうんか!」という声に、青野さんは喉に穴を開けると決める。 気管切開をしてから、声を取り戻すまで、「前例がないならつくればいい」「あきらめない」という青野さんの挑戦が続く。それは「気管切開=声が出なくなる」という医療の世界の常識への挑戦でもあった。 気管切開し、自分にあうスピーチカニューレを探しだし、声を出せるようになり、歌っている青野さん。その活動に欠かせないのが痰の吸引器と人工呼吸器。その2つの機械を持参して、アルバイトに出かけ、コンサートに出かけてきた。 でも、気管切開をし、喉に穴が開いているというだけで、生きたいところに行けず、やりたいこともできない人たちが大勢いる。たとえば学校では、痰の吸引などの「医療的ケア」は、生きていくために必要なことなのに、学校の先生にはできませんということになっていたので、喉に穴を開けた子は、学校へ行けないこともあった。学校を出てどこかの施設へ通うにも、それは同じだった。 喉の穴が、「ふつうに暮らす」ことの制限になる。 そんなんおかしいやんという思いで、青野さんはコンサートなどで医療的ケアについて話すこともある。 136~140ページのコラムには、気管切開のこと、医療的ケアのことや暮らしの豆知識が書いてあって、呼吸器はこんな風になってるんかとよくわかる。本についてるパスワードで、青野さんの歌もダウンロードして聴ける。 (6/9了)

Posted by ブクログ