知られざる日本の偉人たち じつは凄かった！世界に誇れる伝説の10人 だいわ文庫

河合敦【著】

• 販売会社／発売会社: 大和書房
• 発売年月日: 2012/04/12
• JAN: 9784479303794

商品レビュー

2013/02/24

この本は東日本大震災を契機に、リーマンショックや不況、災害で自信を失ってしまった日本に対して、自分は何ができるか、と考えたある高校教師が書いた本である。教師はボランティアに出ることも考えたそうだが、思い直して、いや違うと。自分が教えている歴史、その歴史を語ることを通して人々に元気を与えることはできないか、と考えて執筆を始めたそうだ。
この本のそうした生い立ちに一番感動した。
特別な「貢献」の在り方に縛られるのではなく、自分の日々に近いところ何かできることはないか、そうした気概が大事だな、と再認識させられました。

エピソードの中で一番印象に残ったのはハリウッドで初めて成功した日本人俳優、早川雪州の言葉。「だれにでもチャンスはあるのだが、大ていの人が逃している。ほとんど用意ができていない。どんな人でもデビューするとき、あるいは応募試験を受けるとき、必ずチャンスは与えられている。けれども、やってみるとダメなのである。ただ自分の美貌にだけ頼って勉強していない。チャンスはすぐに得られるものと浅く考えているのが失敗のもとである。しっかりした信念を持って、下術的なものを始終研究し、勉強を重ねてチャンスに備え、来たらすぐにそれに飛び込んでいける用意がなければいけない。それが成功の秘訣である。よく、『あの人はラッキーだ』とか、『あの人は運がいい』ということを口にするが、私はそうは考えない。うんというものは、だれにでも与えられているのであって、それを活かすかどうかによってよくも悪くもなる」