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ボタニカル・アートで描く 変化朝顔の世界
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 八坂書房 |
発売年月日 | 2012/04/05 |
JAN | 9784896949933 |
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ボタニカル・アートで描く 変化朝顔の世界
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アサガオ(Ipomoea nil)の歴史はおもしろい。アサガオは奈良時代に中国から漢方薬として伝来した。アサガオは牽牛(けんご)と呼ばれ,その種子は牽牛子(けんごし)という。漢方として、「味苦寒,有毒。気を下し,脚満,水腫を療治し,風毒を除き,小便を利す」(『名医別録』)。解毒剤...
アサガオ(Ipomoea nil)の歴史はおもしろい。アサガオは奈良時代に中国から漢方薬として伝来した。アサガオは牽牛(けんご)と呼ばれ,その種子は牽牛子(けんごし)という。漢方として、「味苦寒,有毒。気を下し,脚満,水腫を療治し,風毒を除き,小便を利す」(『名医別録』)。解毒剤と利尿剤として使われた。成分はファルビチンである。 アサガオ(Ipomoea nil)サツマイモの仲間で、nilはアラビア語で藍色を意味する。青い綺麗な花が咲くので、鑑賞用に使われるようになった。江戸時代になると,俳句,浄瑠璃,歌舞伎などにも登場し,アサガオが広く庶民の花として愛好されるようになった。江戸後期になると変化アサガオ栽培がブームとなった。アサガオは、夏の風物詩であり、浴衣が似合う。朝早く咲くというのも、江戸時代の人のライフスタイルにあっていた。八重咲きや花弁が細かく切れたり、反り返ったりして本来の花型から様々に変化した変化アサガオが生まれた。メンデルの法則が発表されるのが1865年。まさに明治維新直前。種子のできるもの「正木」と種子の出来ないもの「出物」があり、出物が変化アサガオだった。ブームの発端は、文化3(1806)年の江戸の大火で下谷に広大な空き地ができ、そこに下谷・御徒町村付近の植木職人がいろいろな珍しい朝顔を咲かせたことによる。その後、趣味としてだけでなく、下級武士の御徒が内職のひとつとして組屋敷の庭を利用してアサガオ栽培をするようにもなったという。幕末には約1200系統が作られたという。熊本藩では武士たちによる園芸が盛んで、アサガオ、花菖蒲や菊、芍薬、椿、山茶花が育種された。肥後アサガオは、大きな花を咲かせる系統だった。日本人の園芸趣味が、育種まで育んだというのは、文化の成熟度が感じられる。 さて、本書であるが、ボタニカルアートを描いて見たいと思って手に入れた。それがたまたま変化アサガオだった。ボタニカルアートとは、植物を植物学的な視線で観察する。 画像で見るよりも、きちんとした姿が見えるのでいいなぁ。こんな風に描けるようになりたい。 著者は、「変化朝顔の魅力はどこにあるのでしょうか。醜悪に落ちる一歩手前ギリギリの一点に凝縮された凄みのある妖しい美しさ」と言う。 普通のアサガオの世界から、かなりかけ離れたアサガオを生み出した江戸時代の人たちの美意識に関心する。著者は、自分で出物と正木を栽培して、この絵を描いていることが、素敵だ。 花に魅せられた人の執念さえも感じる。
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