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生物から生命へ 共進化で読みとく ちくま新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2012/04/06 |
JAN | 9784480066572 |
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生物から生命へ
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商品レビュー
3.3
6件のお客様レビュー
共進化の観点から文化、生命、言語の誕生や本質に迫ろうとする野心溢れる一冊。 プログラムを組んでシミュレーションを行って…という部分は正直「ふーん」という感じだったが、6章以降の「文化と生命(遺伝子)」、「言語と生命」、「アートと生命」の、互いが互いの進化を促す話はとても面白かった...
共進化の観点から文化、生命、言語の誕生や本質に迫ろうとする野心溢れる一冊。 プログラムを組んでシミュレーションを行って…という部分は正直「ふーん」という感じだったが、6章以降の「文化と生命(遺伝子)」、「言語と生命」、「アートと生命」の、互いが互いの進化を促す話はとても面白かった。 特に7章のシミュレーションにおける言語の複雑化と安定化の話は興奮するほどだった。
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生命とは何か(=どういうコトか)と考えるときに「共進化」というキーワードで考えようとする本。 共進化(意訳) = 自身が環境から進化するとともに、自身も環境を変化させる。その絶え間ないループ構造のこと。 また、佐山さんのswarmChemistoryのモデルや、一連の生命を構...
生命とは何か(=どういうコトか)と考えるときに「共進化」というキーワードで考えようとする本。 共進化(意訳) = 自身が環境から進化するとともに、自身も環境を変化させる。その絶え間ないループ構造のこと。 また、佐山さんのswarmChemistoryのモデルや、一連の生命を構成しようとする枠組みは本当にワクワクする。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
生きているモノとしての生物観から、生きているコトとしての生命観へ…。そのためには、共進化という見方がカギになります。そうやって見ていくことで解き明かされる多くのことがあり、獲得できる多くの視点があることがわかります。複雑系と呼ばれる科学分野に属する学問・研究のようです。たとえば、こういうおもしろい実験があります。囚人のジレンマをベースにしたプログラムをコンピュータ上で動かしてみる話。協力個体と裏切り個体、どちらか強くなるか、つまり協力しあう社会になるか裏切りの蔓延する社会になるか、その他にネットワークの多さを見たりなど共進化の観点から実験してみる。裏切り個体の多い中で、偶然、少ない協力個体のネットワークが生まれるとそこが強くなり、そのうち協力をする個体が優勢になり、協力しあう社会になっていくそうです。しかし、そこで安定せずに、協力しあう社会の中で裏切り個体が得をするようになり、ついには殺伐とした裏切り社会に戻るようなのです。そして、その繰り返しになるというのだけれど、世の中の移ろいもそのとおりかもしれないなあ、なんて思いませんか。安定せず、巨視的にみるとたえず揺らいで、協力と裏切りの間を行き来する。協力がよい、裏切りがよい、というそれらのための文脈、というか背景ができあがるためなんだろうなあ。こういうことを知ると、永世的に続いていけばいいような思想や論理なんて実はないんじゃないかと思えてくる。そういうのを求めても徒労に過ぎないのかもしれない。生きやすさや生きづらさとはなんぞや、という問いも、また違って見えてくる。だから、今、「これが真理」だとか「これが正しい」とか言われていることも、瞬間的なものでしかないんだってことになりますね。
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