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定本 百鬼夜行 陰
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2012/03/17 |
JAN | 9784163812403 |
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定本 百鬼夜行 陰
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商品レビュー
3.5
25件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
個人的な百鬼夜行シリーズ再読キャンペーン8冊目。 シリーズ各作品に登場した人物たちのサイドストーリー集。 不穏で不気味なお話が淡々と続く感じ。 むかし読んだはずだけど全く記憶に残ってない。さもありなん。
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京極堂シリーズのスピンオフ短編集 簡単に言えば、要らぬもの それでも楽しめたから、さすがと思うべきなのかな。
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京極夏彦作品の白眉ともいえる百鬼夜行シリーズ、いわゆる京極堂シリーズに登場した人物のスピンオフ作品を集めた短編集である。京極氏の作品が備える怪異性は本作でも十分に発揮されている。しかし、裏返せばそれだけのようにも感じる。 京極堂シリーズを読了してからずいぶん時間が経ってしまい、そもそも登場人物を忘却してしまっている部分もある。いくつかの作品については、元のストーリーを想起させ、「あぁそうだったか」と思わせてくれるものもあるが、京極堂シリーズがとても素晴らしいものであることから比べると平凡な作品が多かったように感じる。 妖怪を借りて、登場人物の心に巣喰うわだかまりに人物そのものが追い詰められていく緊迫感は、本作品でも健在である。また語られる蘊蓄も楽しい。特に「鬼」の章は、他の「鬼」を扱った作品にも通底するが、非常に造形が深い。鬼という存在が、いささか特殊であると同時に、意外なほど我々の日常に入り込んでいることも窺える。妖怪というものが日常と非日常のあわいに存在するものだとすれば、妖怪の形を借りて、曖昧かつ不安定な人の心を操ってみせる京極氏のストーリーテラーぶりは称賛されよう。 この作品群に対する称賛を躊躇うのは、ひとえに元の京極堂シリーズがあまりにも素晴らしかったことの証左であろう。これらの作品が白眉であるがために、そのスピンオフとして登場した本作品は否応なく京極堂シリーズの一部としての相対的な見方しかできなくなってしまう。 京極堂シリーズというすばらしい作品がすでに世に出ている以上、これらを下敷きにしたスピンオフ作品は作りやすいであろうし、それを望む読者も一定数いるのだろう。だがしかし、どうしてもこのスピンオフ作品が必要である理由を見つけることはできなかった。あえて望むならば、新たな京極堂シリーズを読んでみたい。それは作者にとって大変な仕事だと思うし、かなり長い間このシリーズが世に出ていないことを考えればなおのこと大仕事になることは想像できる。 それでもなお、やはり、今一度新たな京極堂シリーズを求めたい。その思いが強いがゆえに、スピンオフ作品ではおのが気持ちに対して、お茶を濁せない――それが偽らざる読後の印象なのである。
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