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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2012/02/25 |
JAN | 9784062174589 |
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商品レビュー
3.3
61件のお客様レビュー
"推し"であるナオコーラさんの書籍は、なるべく新品で購入してすこしでも貢献したい、と思っているけれど、図書館には未読の作品がたくさん並んでいて、嬉しくてつい手に取ってしまった。 今は目標があって財布の紐が堅いので…今だけ…! 他の作品同様、本作も著者自身が感...
"推し"であるナオコーラさんの書籍は、なるべく新品で購入してすこしでも貢献したい、と思っているけれど、図書館には未読の作品がたくさん並んでいて、嬉しくてつい手に取ってしまった。 今は目標があって財布の紐が堅いので…今だけ…! 他の作品同様、本作も著者自身が感じてきたことを主人公に重ね合わせ、嘘偽りなく書かれていて、不器用ながらこの真っ直ぐさが好きなんだよな、などと思いながら読み切った。 全く否定するつもりはなく、なるべく理解できるといいな、と思いながらも、正直トランスジェンダーっていうのは分からない部分も個人的には多くて、だけど「女性である前に、作家だ」っていうのにはすごく共感できた。私も男性が多い社会で働いていたとき、女だからってナメられたり、この後歩むであろう人生を勝手に決めつけられて不快に思ったことがあるから。 これってジェンダーギャップ指数が上位の国とかに住んでいる日とも思うことなのかね、なんて考えたりした。「××である前に、一人の女性だ」っていう言葉はよく聞くけど、考えてみれば逆はあまりなくて新鮮だった。 P.139 そうか、体重を気にするというのは自分のことしか考えていないということなんだ、と雪村は気がついた。時田のように、人とのかかわりに重点を置いて考え事をしてこなかった。間柄に力点を置いている人は、自分がどう見えるかを気にしないし、相手を評価することもしない。ただ、自分対相手という場所が見えるだけなのだ。 「時田くんは、あれだよね。人との接し方に長けているよね」 魚の出汁がきいているスープは、日本人の舌に合う。時田がこれからも、おいしいものを食べていけますように。 「でもね、必要以上に『自分がどう見えるか』を気にしている人の仕草が、チャーミングに見えることもあるよ。自意識が高いことを、悪い性格だとは決めつけられないと思うな。だって、世の中のみんながみんな、他人に思いやりを持てて、非の打ちどころのない、コミュニケーション能力の高い人ばかりだったとしたら、つまらない集団になると思わない?」と時田は言った。 この文章で、泣くなんておかしいかもしれないけど、なんだか私は泣けてしまった。時田の言葉が、自分を肯定してくれているみたいだし、自分の大切な人たちを肯定してくれているようでもあるから。 うまく言葉にできなくて良さを伝えられずもどかしい思いをしたこともあるけど、本当に自意識過剰な人ってチャーミングで結構好きなんです。 ナオコーラさんの作品は、物語を楽しむこともそうだけど、ナオコーラさん自身の考えがどんな言葉になって描写されているのか、その表現力にドキッとしたくて読んでいる節がある。 裏表紙のカバー袖にある〈著者〉に笑ってしまった。こういう遊び心も大好きです。
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ひとりの「女の子」が、自覚ないまま「女=弱く自立しないもの」のイメージを携えて育つことになる現代日本の中で、性別から切り離した「自分自身」となり、性別を意識しなくとも、ただそこに在る自分として他者と関係を作れるようになった過程を描く。連続する独白のような形。 これは世間のいう「女...
ひとりの「女の子」が、自覚ないまま「女=弱く自立しないもの」のイメージを携えて育つことになる現代日本の中で、性別から切り離した「自分自身」となり、性別を意識しなくとも、ただそこに在る自分として他者と関係を作れるようになった過程を描く。連続する独白のような形。 これは世間のいう「女性らしさ」「男性らしさ」について改めて考え直したことのある人には理解可能な過程でしょうが、そうでなければわからんかもしれません。わからないと思った方には、書かれている通りのことがありのまま、実際に自分に起き、そのことに違和感を持つ自分とそこから脱してゆく自分、というのを想像をしてみてもらえたら良いと思う。そのことがその方が「なんじゃこいつ」と思う誰かと働く羽目になったときの働きやすさにつながると思う。 2010年の連載作品らしく、その頃にこれを世に出した編集者と作家はすごい。ほんの12年前だがその頃の「上司」「同僚」たちはいまより12歳上の人々で、義務教育における家庭科と技術が男女共修になっていないころの人々がほとんどだったわけなので。 頭でっかちの主人公から、依頼心が減ってゆくプロセスにリアリティがあった。
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本人が一番女性性というものに捉われているのでは? 著者が一時期やたら私はブスだからと連発していて鬱陶しいなと思ったんだけど、おそらくその時期にあったこととか本人なりの理由みたいなものはなんとなく分かった。 とは言え、これって内向的?社交性が薄い?女の子が家族や周りの大人たちが「...
本人が一番女性性というものに捉われているのでは? 著者が一時期やたら私はブスだからと連発していて鬱陶しいなと思ったんだけど、おそらくその時期にあったこととか本人なりの理由みたいなものはなんとなく分かった。 とは言え、これって内向的?社交性が薄い?女の子が家族や周りの大人たちが「かわいい」と構ってくれることを「容姿が良い」「特別な」「お姫様」と勘違いしていて、いきなり他者に忖度なく特に悪気もなくブスって言われてやっと現実に気付くっていうよく女芸人ネタになるようなあるある話にしか感じない。そこで私は男の部分があるからっていうのは脳内お姫様設定とやってることはたいして変わらない気がする。 時田くんのような人ともっと対話が出来ればいいのになと思うけど、『男ともだちを作ろう』でも女なんて面倒でバカだけど私は違うからそっち入れてよー的なスタンスを感じたのでジェンダーというよりは自己に向き合うべきだと思う。結婚妊娠後もジェンダーのひとをやってるけど。運動を頭を使ってするものだ、と自分に引き寄せていったように。
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