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デスピタル

川原あやめ(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文芸社
発売年月日 2012/03/01
JAN 9784286115139

デスピタル

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2017/03/04

この物語には結論がない。 ただ、淡々と登場する人物たちの死への物語が綴られているだけだ。 65歳を過ぎると法的に手にすることが出来る「死」を選ぶ権利。 使うも使わないも、すべて個人に任されている。 そこには強制もなければ、拒否もない。 病に侵され回復の見込みがまったくない余命わず...

この物語には結論がない。 ただ、淡々と登場する人物たちの死への物語が綴られているだけだ。 65歳を過ぎると法的に手にすることが出来る「死」を選ぶ権利。 使うも使わないも、すべて個人に任されている。 そこには強制もなければ、拒否もない。 病に侵され回復の見込みがまったくない余命わずかな者。 体の自由がいっさい利かず、話すことさえも出来ない、誰かの手がなければ一日も生きていけない者。 事情を抱える人たちがデスピタルを訪れる。 デスピタルという名称はホスピタルを捩ったものだろう。 苦痛のない死を選択してからの日々は穏やかだ。 死ぬ日を決めてからは、細かなところまで配慮が行き届いた生活を送ることが出来る。 もしかしたら未来にはこんな施設があたり前のように出来ているかもしれない。 「死」さえも自由に操ろうとする人間は、なんて傲慢なんだろう。 一日でも長く生きたいと思うのも、一瞬でも早く死にたいと思うのも、100人いれば100の考え方がある。 深いテーマだったけれど何となく途中で放り出されたようなラストだった。 それぞれの登場人物の物語が表面的に語られているだけで、テーマは深いけれど物語としては浅い。 せっかくの物語、余韻が残る終わり方がやっぱりいい。

Posted by ブクログ

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