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森正洋の言葉。デザインの言葉。
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 美術出版社 |
発売年月日 | 2012/02/20 |
JAN | 9784568504859 |
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森正洋の言葉。デザインの言葉。
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商品レビュー
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5件のお客様レビュー
こういう、言葉が明確で強い人は、だからといって別に絶対的に正しい真理をつかんでいるわけではなく、むしろ逆に「この世の中に絶対的な価値、真理など存在しないからこそ、自分自身が責任を持って、腹をくくって進むしかない」と覚悟を決めた人なのだと思う。 そして、一見すると当たり前のことを...
こういう、言葉が明確で強い人は、だからといって別に絶対的に正しい真理をつかんでいるわけではなく、むしろ逆に「この世の中に絶対的な価値、真理など存在しないからこそ、自分自身が責任を持って、腹をくくって進むしかない」と覚悟を決めた人なのだと思う。 そして、一見すると当たり前のことを、しつこく面罵するためには、少なくとも自分は「当たり前」の1枚も2枚も上手をいっていないといけないわけで、それが難しいから、多くの場合は人は人に弱腰になる。森さんはその点においては、自分の積み重ねに圧倒的な自信があり、まったく容赦がなかった人らしい。 自信というのは現場での積み重ねのなかからしか生まれない。そういう積み重ねに支えられた人を「職人」というとしたら、森さんは“デザイナー”という名の横文字の仮面をかぶった(というかそういう職能「も」身につけた)工芸作家、陶磁器職人にもみえる。 当時、大量消費社会の最盛期にあって、試行錯誤、七転八倒しながらもロングライフなものをただひたすらに追求する生き様がめちゃかっこいい。 こないだ白山陶器の「ペンギン 徳利」を買いました。寒くなってきたので熱燗飲みながら使い勝手を確かめてみます。 ペンギン 徳利 | D&DEPARTMENT https://www.d-department.com/item/2012009900055.html 森正洋 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A3%AE%E6%AD%A3%E6%B4%8B -----(以下、引用)----- p.14 学校で、お前、何のためにデザインをするのか、と学生に尋ねても、答えるだけの思想を持ってないんですよ。 僕たちの頃とはまるで逆になっちゃった。 学生のときこそ、デザイン思想、物と人間の生活のことを徹底的に論じなければいけないんですがね。 社会に出たら汚染されるばっかりですから。 p.38 中小企業だと、デザインというのは販売から包装紙までぜんぶやらないとダメなんです。 ろくろができたらデザイナー、なんてことは絶対ありません。 p.41 デザイナーには野生が必要。 出ないと新しいものは生み出せないんだよ。 p.43 物を作りながら物を見るのではなく、物の後ろに人間が居ること、人々の生活があることを忘れてはいけない。 p.88 今の学生たちは、「きれいなものを作りたい」って言って、ちっともきれいじゃないものを作る。 体験がないからだね。 体験があっていろいろな形ができるでしょ。 自由だ何だって、生活体験が何もない。 だからなんの実感もない。 かわいそうだよね。 p.102 生活の道具のというのは、いつの時代もあくまで量産品でなければならない。 p.167 公共の空間や公園などのオブジェでも、人間の生活になんらかの影響を与えなければ、それはただの粗大ゴミなんだ。 “日常”のなかで人間は生活しているのだから、まずはそこを豊かにしていくべきなんだよ。 p.170 ものがあり余っているのに値段だけ下げて、無制限に作っていくなんて、そんなバカなことやめろって言ってるんだ。 p.182 マーケティングに騙されるなと言いたいです。 世の中にない本当にほしいものを作曲しろということです。 創作は作曲と同じことなのです。 p.186 産地が産地として生きるには、既製品だけではどうにもならない。 どこにもない、新しい製品がいる。 それを生み出せるのはデザイナーだけである。
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※このレビューにはネタバレを含みます
陶磁器デザイナー森正洋さんの「デザイン」に関する想いと、森さんと縁が深い人物から見た森さん像がまとめられた内容。陶磁器に限らず、モノ作りに携わる人にぜひ読んで欲しい一冊。 わが家にある茶碗やお皿。何気なく日常使いしている日々のものだけど、どんな人がどんな想いで創ったのかなんて考えたこともなかった。身の回りにある1つ1つのものに、意識を向け、作り手の想いに思いを馳せてみるって大事だな、なんて思うのでした。 ・実用性だけではダメだし、流行を追ってもいけない。デザインは生活文化をつくり出していけるものでなければ。それには人間の生活をよく見ること。人間が好きじゃないと、モノは作れないよ。 ・本当の意味で大人になるためには、もっといろいろな情報を取り入れた上で、自分なりのものの見方をみにつけなければないけませんね。その意味では、まだ大人じゃない。 ・理解してもらえないと言っていいのは幼稚園まで。ましてや大学を卒業して社会に出たら、もらえない、ということはなくて、自分がどこでどうやってカバーするかだと思います。 ・デザインというのはさ、胃袋と市場によって決まるんだよ。そういう生々しい実感がデザインには要るわけ。だから実感を持って、考えている人がいいんだよ。 ・デザインはいいから、新聞を読め。社会のことを学べ。我々がそこに物を提供しようとしている世の中の背景を探れ。 ・モノを見るとき、日本ではそのモノだけを見る習性がどうしてもある。だけど、そのモノが置かれる生活基盤を通して見つめなければ、本当のモノの存在価値は見えてこない。 ・価格が決まり大量生産が始まって、初めて社会的存在になる。 ・物を作りながら物だけを見るのではなく、物の後ろに人間が居ること、人々の生活があることを忘れてはいけない。 ・望遠レンズと広角レンズを持つということかな。歴史の生きた流れをちゃんと見つめられるということと、世界の多様性に目を配れるということでしょうね。 ・生活の道具をデザインすることは、人々の行動や暮らしを道具で規制することになる。 ・使いやすく、親しみが持てて、きれい。それが暮らしの道具の原点だと思う。 ・デザインは失敗の積み重ね。ひらめきではなく、いかに自分のものにするかが大切だ。 ・デザインとは、あくまでモノと人との関係のなかで生まれてくるカタチであり、存在なんだと思う。 ・営業は既にあるものの話ばっかりする。新しいものって市場にあるわけないじゃない。 ・ものが有り余ってるのに値段だけ下げて、無制限に作っていくなんて、そんな馬鹿なことやめろって言ってるんだ。 ・ものを通じて自分のメッセージを社会に出す、それがデザイン。 ・伝統は変えていかないと干からびてしまう。 ・世の中に半分は犯されてもいいが、半分は犯されてはいけない。 ・生活は日々に変化していくので、本質的には「物」そのものではなく、「物のありかた」を考える方向、角度が最も重要な開発の姿勢ではないか。 ・創造にはどこかで破壊がともなう。社会のどこかを破壊しない限り、新しいものは出てこない。
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友人が貸してくれた本。デザインという仕事に人生を注ぎ込んだ森正洋の言葉と、彼を見てきた人たちから見た人間像。 ナガオカケンメイもこの流れを汲んでいる感じがする。
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