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TPP知財戦争の始まり
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 草思社 |
発売年月日 | 2012/02/14 |
JAN | 9784794218858 |
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TPP知財戦争の始まり
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商品レビュー
3.3
4件のお客様レビュー
まずTPPの目的がフリートレードではなく。米による知的財産権を守るための国際ルールの構築にあるというのは卓見であると思った。アメリカはもともとは1860年代から半世紀にわたる高関税政策で発展した国である。大事なのは制度ではなく自己の利益である。 中国による知的財産権の侵害は年...
まずTPPの目的がフリートレードではなく。米による知的財産権を守るための国際ルールの構築にあるというのは卓見であると思った。アメリカはもともとは1860年代から半世紀にわたる高関税政策で発展した国である。大事なのは制度ではなく自己の利益である。 中国による知的財産権の侵害は年250億ドル、7万人の職が失われていると考えられている。パソコンの90%に使用されているソフトがすべて正規品になれば確かに状況は違ってくるであろう。ソーラー発電業界も中国企業に安くコピーされ、結果立ち行かなくなった。もはやアメリカは中国に事態の改善する気があるとも思っていないだろう。 膨大な貿易赤字国であるアメリカの唯一の黒字なのは農業とサービス部門である。単純に上記の損失をプラスすると黒字額がb$150からb$400に増える計算である。 日本は知的財産権についてアメリカと同様な状況にある。中国・韓国が輸出を伸ばしている分野はことごとく日本と競合する分野である。つまり、パクられているのでありルール作りに参加するのは必然であろうと思われた。 農業分野で痛みを受けるのは仕方がないのだろうか?品質の良い日本製品は輸出され、日本の庶民が安い外国製品を買う未来は来てほしくないが、戦後70年以上たつ高齢化した現在の農業のあり方はもはや限界にきていると思う。政治家は農家をだますような方法でなくよく話を聞いて決断してもらいたいが、筆者と同じく外圧を利用した構造改革は選択肢のうちだと思う。 ただ本書は知的財産権のみについての論考であるので他の分野も研究したい。
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TPPについて少し勉強しようと思って手に取った本だが、予想外の収穫。「日本の農業を守れ」的な視野狭窄の見方では、TPPの本質は見えてこず、アメリカの立場で客観的に考えれば、その真の狙いが見えてくると説く。なるほどねーっと、目からウロコが落ちまくり。 曰く、 関税を撤廃してもアメリカ経済への寄与は小さく、その程度のことにアメリカが真剣になるわけがない。今、アメリカ経済を支えるのはサービス経済で、その中でも、知的財産権を徹底的に活用して、輸出を増やし、経済を好転させるのがアメリカの真の狙い。そのために、新たな法律や大統領直轄の組織も作った。 アメリカは、中国の歪な特許制度に苦しめられている。WTOの枠組みでは実効的な対策は打てない。それならばと、中国抜きのTPPで、中国をコントロールできる仕組みを作り上げ、その後にその枠組みに入ってくるのを待つ戦略を取ろうとしている。 国家と民間企業との利害調整システム(ISD条項)もわが国にとっては重要。自治体が条例で、水源保全のために外国企業の進出を規制したり、地産地消を図る目的で地元企業を優遇したりして、外国企業から提訴されれば、国=日本政府がその後始末をさせられる可能性も考えられる。 いやあ、安いコメが入ってくると消費者はうれしいけど、農家が打撃を受けるとか、そんな些細な話ではなく、いかにして自国に有利な国際紛争の枠組みを作ろうかという戦いだったんですね、TPPは。
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アメリカのTPPに対する真の目的は知的財産保護の体制を整えることにある、という面白い推測をされている。 ただ、中国がいないところで話を進めて、果たして最終的に中国を巻き込んでいけるのかは疑問が残る。 また、中国の知的財産権侵害で購入者の米国自体が得をしていたのなら、侵害を取り締まったところで、結局権利者が受け取る金銭は米国の購入者が支払うことになるのだから、米国に金銭的利益は生まれないんじゃないのか。 いろいろと腑に落ちないところはあるが、楽しみながらは読めた。
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