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夢の花、咲く
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2011/12/17 |
JAN | 9784163810409 |
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夢の花、咲く
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商品レビュー
4.1
11件のお客様レビュー
主人公の興三郎は今で言えば、朝顔オタクだ。黄色い朝顔を咲かせる事を夢見て見合いの席でも朝顔の話となると止まらず相手を辟易させ断られている。そんな興三郎を側で叱咤激励する愛情深い奉公人、藤吉との2人のやり取りはあたたかい陽だまりのようだ。 しかし変化朝顔にかける執念に人生を狂わされ...
主人公の興三郎は今で言えば、朝顔オタクだ。黄色い朝顔を咲かせる事を夢見て見合いの席でも朝顔の話となると止まらず相手を辟易させ断られている。そんな興三郎を側で叱咤激励する愛情深い奉公人、藤吉との2人のやり取りはあたたかい陽だまりのようだ。 しかし変化朝顔にかける執念に人生を狂わされる者もいた。剣術もさっぱりの頼りな気な興三郎が果たしてどこまで悪者に立ち向かえるか。
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変化朝顔作りに入れ込む朝顔同心・中根興三郎シリーズ第二作。 とはいえ、時系列としてはこちらの方が前。 第一作の三年前、興三郎27歳という設定だ。 今回は植木職人と思われる男が殺された事件から始まる。花合わせで天位を取った吉蔵がどうも何かを知っているようなのだが、名簿作成係に過ぎ...
変化朝顔作りに入れ込む朝顔同心・中根興三郎シリーズ第二作。 とはいえ、時系列としてはこちらの方が前。 第一作の三年前、興三郎27歳という設定だ。 今回は植木職人と思われる男が殺された事件から始まる。花合わせで天位を取った吉蔵がどうも何かを知っているようなのだが、名簿作成係に過ぎない興三郎には何も出来ない。 そんな折りに起こった安政の大地震が、事件の行方と共に様々な人々の運命も変えて行く。 第一作があれだっただけに、とても苦しい展開になるのではないかとハラハラしながら読んだ。 大地震により命を落とした人や家族を亡くした人はもちろん気の毒だが、家や職場を失くした人、怪我などで仕事が出来なくなった人、生活が一変した人がたくさんいる。 それだけでなく、逆に地震により荒稼ぎしている者もいるし、地震により明るみになったこともある。 吉蔵の娘お京は、興三郎の同心仲間・岡崎と夫婦約束をしているだけに、二人の関係が気になる。 更には興三郎の亡くなった兄の元許嫁・志保が嫁いだ材木問屋の主が気っぷの良い人なのに悪徳問屋に追い詰められてこれまたハラハラする。 前作のレビューにも書いたが、興三郎は変化朝顔を金儲けのネタにしたり、人と競ったりすることを好まない。 彼は朝顔の様々な交雑の末に生まれる新しい花や葉や茎の形の神秘を純粋に見つめている。 だが変化朝顔を趣味や仕事にしている者は興三郎のような者ばかりではない。 変化朝顔を金儲けや投機や勝負事や賭け事に使い、人生を賭け、棒に振る者もいる。 吉蔵もその一人だった。だがそれは自身の野心ではなく、娘や亡き妻を思ってのことだったが、その思いが悪い方向へ転がってしまった。 それでも朝顔は人の思惑とは関係なく咲く。思うような変化を見せるかどうかは分からない。 普段はおっとり目立たない興三郎だが、お救い小屋で被災者を励ますために朝顔の種を配ったり、板挟みに苦しむ岡崎の背中を押したり、いざとなると亡くなった兄に教わった居合いの技を見せたりと格好良い。 第一作とは違い、少しホッとする結末にしてくれた。やや強引な気もするが、こうしたご時世だけに心地好い。
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やっぱり梶よう子さんの本はいい。一朝の夢 も併せて読むことがオススメ。武士ではあるが閑職勤めの主人公が朝顔作りをひたすら歩むが今回は波瀾もたっぷり、終盤はいささか走り過ぎの感もあるけど読後感がいっそ清々しい。
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