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地球を活かす 市民が創る自然エネルギー
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | シネフロント社 |
発売年月日 | 2011/12/01 |
JAN | 9784915576256 |
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大震災が起きて、ジャーナリストの伊藤千尋は先ずどうしたか。なんと先ず一週間後に上関の祝島に行っている。私の場合は、たまたま祝島に行ったのであるが、ほとんど入れ替わりぐらいで伊藤さんがいったということになる(←残念だ)。内容は今では随分と知れ渡った島民30年の闘いをコンパクトにまと...
大震災が起きて、ジャーナリストの伊藤千尋は先ずどうしたか。なんと先ず一週間後に上関の祝島に行っている。私の場合は、たまたま祝島に行ったのであるが、ほとんど入れ替わりぐらいで伊藤さんがいったということになる(←残念だ)。内容は今では随分と知れ渡った島民30年の闘いをコンパクトにまとめている。 この本の大きな特徴は、富士山演出場をやめさせて巨大な露天風呂を作ろう、地熱発電を本格的に始めようという提案である。彼の発想の源はアイスランドにある世界一の露天風呂にある。日本の地熱発電の技術は世界一なのだそうだ。6月には、日本最大の地熱発電所を見学に大分に行っている。伊藤は、幾つか問題はあるが克服可能だ、と思う。むしろ、ガイドの「自然エネルギーは原発の添え物に過ぎません」という控えめな説明ぶりに苛立ちを覚える。 この本は、「脱原発にむかう世界」の解説本にもなっている。ドイツの脱原発宣言の背後には、強力な反原発の世論がある(緑の党の役割)こと、今のところ2050年までに80%の再生可能エネルギーを目指しているが、実質は100%が可能で、雇用が100万人になる見込みなどを書いている。自然エネルギーに転換する欧州(オーストラリア、イタリア、スウェーデン)の動きを取材、アメリカ、中南米の動きにもめを配り、今自然エネルギーに舵を切らないと、ホントに日本は、世界から取り残されるだろうということが解るようになっている。 高知県梼原(ゆすはら)町の赤字財政からの転換を自然エネルギーに掛けた取り組み(一度行ってみたい)も取材している。 もちろん伊藤さんは、マスコミに猛省を促している。しかしマスコミの中にいて、市民にも訴える所が他の人とは違う。 メディア批判をよく耳にするが、メディアはその時代の民度を象徴する。ジャーナリストは神様ではない。メディアに期待するなら、メディアを市民の側に引き寄せる力が必要だ。メディアを変えたいと思うならば、市民が市民運動を盛り上げて社論を変えるのが一番の近道だ。(114p) 現に9.19脱原発集会で6万人集まった時に新聞やメディアはいっせいに大きく取り上げたと、伊藤さんは言う。(←果たしてそうか、という疑義は私にまだあるが)ただ、今回の20万人集会にいたって、初めてマスコミは取り上げだした。その感度が正常なのかどうかと言うと異常だとは思う。しかし、結果的には伊藤さんの言うとおり、世論の声が大きくなれば、マスコミは取り上げるのではある。 最後の章は水俣市の取材だった。最悪の公害都市から最高の環境都市へ、そこにはこの50年の多くのジレンマ、地域差別との闘いが書かれていて、この後の福島への提言にもなっている。 あとがきに書く。 「サザエさん」の漫画に、セントラルヒーティングで完全に電化した家が登場したのは1968年だ。その家の主婦は大いばりだが、カーテンの陰では一人寂しく食事するおばあさんが「昔のほうがずっとあったかだった」とこぼす。(略)経済や生活の発展は、人間を幸福にするために考えられたのではないか。逆に人を不幸にするのだったら、いったい何のための発展だろうか。(155p)
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