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小倉百人一首 百人百首の恋とうた ポプラポケット文庫
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小倉百人一首 百人百首の恋とうた ポプラポケット文庫

田辺聖子【著】

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小倉百人一首 百人百首の恋とうた ポプラポケット文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 ポプラ社
発売年月日 2011/12/09
JAN 9784591126882

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小倉百人一首

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2024/06/14

食わず嫌いではないけどなんとなく敬遠してた田辺聖子。「人生はだましだまし」を最近読んでその自然体の決め台詞的な感じが気に入ったので恋愛小説以外の何かを物色。で、これを借りてきました。 まともな成人であれば百首全てではないとしてもあらかたそらんじるであろう百人一首。私はせいぜい数首...

食わず嫌いではないけどなんとなく敬遠してた田辺聖子。「人生はだましだまし」を最近読んでその自然体の決め台詞的な感じが気に入ったので恋愛小説以外の何かを物色。で、これを借りてきました。 まともな成人であれば百首全てではないとしてもあらかたそらんじるであろう百人一首。私はせいぜい数首。何冊読んでも新たな気分で「へぇぇぇ」と感心出来るし。いつでも新鮮な気持ちでいられてバカもいいもんです。羨ましいですか? 百人一首+田辺聖子で何故星3なのか。 これは私の期待の仕方がまずかったんですよね。 もう少し老練さ全開の解釈が綴られたものかと思ってたんですが図書館カウンターで表紙を見た瞬間「あ、なるほど」と。 2人の子供を台詞回しに使って進めていくのは読みやすいですし内容は決して薄くはないんですけどももう少し意地悪で即物的でない艶っぽさで書かれたものを期待してしまったので私のようなジジィには3。子供が読むなら4。 にしても(ここからは田辺聖子完全に関係なくなります)    いつ触れても手触りが違って感じられていいですよねぇ。 若い頃は43 「あひみての のちの心に くらぶれば 昔はものを 思はざりけり(権中納言敦忠)」とか、40 「忍ぶれど 色に出りけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで(平兼盛)」あたりが好きでしたが、今は89 「玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの 弱りもぞする(式子内親王)」がグッとくるっていうんですかね。何十年間もコンクリートの檻の中で手厚い保護を受ける絶滅危惧種の哀しげな目を想像するというか。恋愛以外のことになんの心配もないユーミンの歌詞を思い出すというか。(悪口ではありませんよ) あと89 「花さそふ 嵐の庭の 雪ならで ふりゆくものは わが身なりけり(入道前太政大臣)」もいいですねー。小野小町の和歌(9)も似たような過ぎ去った若さへの哀愁みたいなものですがあれはマジものの哀愁、てか哀愁超えちゃって悲惨。(そこが魅力だけど)比べてこちらの和歌は権力も権力、元太政大臣の和歌。しかも天皇ですら島流しにあうほどの武家社会にあって平安時代最後の栄華を極めた「なんちゃって権力なんちゃって哀愁」なのがいい。800年近く経っても権力者の持つ、気持ちいいくらい素直な傲慢さや子供じみたグロテスクさ残酷さが伝わる。何もかも才能や努力のおかげじゃない、まぐれあたりですらない、ただの運。失ったもの衰えたものを数えるけれどそんなものはそもそも無かったもの同然。何一つお前のものでは無かったのだから。みたいな。 太政大臣ですらそうなんですもの、時代が違えど私達をや。ね。 さて。(まだ田辺聖子に関係ないのが続きます 藤原定家が選んだ由緒正しき有名和歌集は他にもあれど、私的に選んだ百首がここまで身分や時代を超えて広がり、ついには私のようなパッパラパーも「あらいい和歌ね」なんて読み齧るわけですから、定家は勿論ですが宇都宮頼綱に感謝です。 百首それぞれの背景やバランスも楽しいですが(これはさすがの定家の教養と才能とセンス)、私としてはやはり定家に色紙を頼んだ時の頼綱の鼻の穴を想像してしまいます。 「今度の嵯峨の別荘はな、名歌百首を飾ろうと思ってんだよ。いやいや違う、俺が選ぶわけでも写しでもねぇ。定家に和歌の選定を頼もうと思ってんだ。あぁ?そうだよ。その定家が俺のためだけに選んだ百首、しかも定家直筆の色紙で。それをこう様々に飾り立てて。うししし。んだよ。何?日本一の歌人にそんなこと頼んでも断られるだけだって?そんなバカな。我々の子供は夫婦、娘の嫁ぎ先の舅かつ北条家と縁深い俺が直々に頼んできたのをどうやって断るんだよ。定家は後鳥羽院のことでも権力こそがこの世の拠り所であり掟だと骨身に染みてるだろうよ。この世はな、脅し、ゆすり、たかりの三つだけで回ってんだよ。まぁ見てな、ひと月もしないで定家の選んだ直筆和歌色紙を手に入れてやるぜ。」 なんて会話も仲間内でした上での頼み事だったのかも。 声には出さずとも定家の顔は渋っている。そりゃそう。文化など爪の先も期待出来ない遠い遠い田舎の果て、関東の豪族ごときに和歌を選定するだって?この私が?和歌の代わりに味噌でもくれてやった方が余程ためになるんじゃないのかね。とでも思っているのか。けれどもあくまでも丁寧に断る定家。執拗に笑顔で迫る頼綱。声のトーンも優しく柔和な親族の空気を纏っているけれど瞬きは少なく語尾は強い。どこか「俺が優しく言ってるうちに」を感じる。それでもあの定家の選んだ直筆和歌集が手に入る自信と興奮は広がった鼻の穴に隠せない。 みたいな。 私が百人一首を楽しめるのは、頼綱の田舎武士コンプレックスのおかげです。きっと。 サンクス頼綱。

Posted by ブクログ

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