アイスクリン強し 講談社文庫

畠中恵【著】

• 販売会社／発売会社: 講談社
• 発売年月日: 2011/12/15
• JAN: 9784062770767

商品レビュー

2024/08/31

「しゃばけ」シリーズが気に入ったので、畠中恵の作品を。
時代は江戸から明治に変わって20年後、藩の武士が録を失ってそれぞれ身を立てる方法を模索している時代のお話。
警察に入った元若様たちと、居留地で異人を間近で見て育って洋菓子屋をつくる主人公。明治になって成功した成金の商人の娘も加わって、色々な事件にかかわるお話。
ライトで読みやすく、面白い。これまでのしゃばけシリーズと雰囲気は共通しており、読み終わってホンワカできる作品でした。

2024/07/29

著者の名は長らく聞き及んでいた記憶はあるものの、著作を手に取って読んだのは本書が初めてだったようだ。
舞台設定が、明治維新後20年ばかりの帝都東京であるところが珍しく、新鮮だった。考えてみれば、江戸時代ないしはそれ以前を舞台に描かれる時代小説は数多あれど、明治維新直後を舞台に書かれた物語にはあまり馴染みが無い。日露戦争前後を描いた司馬遼太郎「坂の上の雲」くらいか。
とても平易に読み易く、スイスイ読み進めた点では難は無いものの、その時代設定の珍しさの他に、特に惹かれる点、引き込まれる点が殆ど見出せなかったのが残念。
登場人物たちはいずれもそこそこ個性的で興味深い面々が揃うには揃っているのだが、いずれも何処か出来の悪いテレビドラマのキャストたちのようで、要するに、実体感と云うか、リアリティが感じられない「嘘っぽい」人物描写に留まっている感がどうしても否めない。それゆえストーリーにも今一つ説得力が感じられず、ワクワクドキドキやドンデン返しの醍醐味も味わえず。
正直、読み終えてもちと残念な印象が残った一冊だった。

2024/01/21

さすが畠中恵。とっても読みやすくてテンポ良く読めた。話も短く、そこもまた読みやすい。解説にもあったけれど、お菓子の語感など大変秀逸。おいしそうだなと思いながら読んでいた。登場人物全員をどんどん好きになってしまった。