地産地消のエネルギー

新妻弘明【著】

• 販売会社／発売会社: NTT出版
• 発売年月日: 2011/11/26
• JAN: 9784757142855

商品レビュー

2012/01/23

筆者は工学屋にありがちな自分たちが開発した新しい技術を利用して暮らしを豊かにしようという考え方の危うさに早々に気づいて地域の暮らしにからスタートした豊かさやエネルギーの捉え方を模索している。エネルギーを電気、熱、運動などに分散して自給するというのはそこに暮らす人たちの生活規模がある程度の大きさであれば達成可能なのだが一大都市圏ともなるとやはりそれは難しいだろうと思う。本書で紹介されていた事例はあくまで規模の小さなコミュニティ向けで都市の逼迫する電力需要に対応するためにはまた何か手を考えないと。

2012/01/10

神奈川県知事がそっくりな名前の本を出していますが、別物です。
発電所等の迷惑施設、Not In My Yardに対して、EIMY、Energy In My Yard。
出版は最近ですが、3.11前に書かれた本で、ことさらに脱原発をいう本ではありません。EIMYの可能性と地域のネットワークづくりがメインの課題です。「生業」「家業」といったあたりがキーワードになっています。どうしたら地域のためになるか、ということが貫かれています。
事例もあるものの、多分に精神的なところがあるという印象ではありますが、その精神なくして、循環型社会は成立しないだろうという思いを強くしました。どの技術がいい、とかではなくて、多様な関係性を創出しろと。
自分がどのぐらい働けば100Wなのか、人はわからない。薪や食べ物なら見て分かる。
はからずも3.11以降、そういう気持ちを理解でき、取り戻したいと思う人が増えているのでは。

2012/01/02

『地産地消のエネルギー』というタイトルは、地域で消費するエネルギーをその地域で生産するというコンセプトの他に、エネルギーを電力に変換するのではなく、使用時の形のままで発生させ、消費するということも意味している様に思った。