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負けんとき(上巻) ヴォーリズ満喜子の種まく日々
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2011/11/26 |
JAN | 9784103737131 |
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負けんとき(上巻)
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商品レビュー
3.9
8件のお客様レビュー
近代の女子教育や福祉などの分野に携わった人は どこかで必ず一本の線でつながっているんだと 考えさせられた本。 玉岡さんの本は、デビュー作しか拝読して いなかったけれど、こんな色合いの本も書かれる 作家さんになっていらしたのか。 久しぶりに面白い評伝小説を読んだ。 津田梅子・...
近代の女子教育や福祉などの分野に携わった人は どこかで必ず一本の線でつながっているんだと 考えさせられた本。 玉岡さんの本は、デビュー作しか拝読して いなかったけれど、こんな色合いの本も書かれる 作家さんになっていらしたのか。 久しぶりに面白い評伝小説を読んだ。 津田梅子・大山捨松・一柳満喜子・そして 今の朝ドラのヒロイン、廣岡浅子 主人公の一柳満喜子を支えた廣岡浅子が とっても魅力的に描かれ、ドラマを見ていないのに 脱線して他作家の「土佐堀川」も読みたくなった。 一柳満喜子自身は、旧華族の子爵令嬢で 米国留学を経て宣教師であったヴォーリズと 結婚し、教育や福祉、女性の地位向上や 伝道に尽力した女性。 こうしたことは知らないで読み始めて 矯風会の活動なども出てくるので 福祉の勉強をしていた昔に帰って読んでみた。 ミッション、というものが日本の教育や福祉・文化に 果たした役割は大きいけれど、それを再認識させる 内容だったし、切り口が斬新だった。 夫のメレル・ヴォーリズにももっと詳しく 触れたくなる内容。 女性を主人公にすると男性が霞む評伝小説が 多いなか、男性も魅力的に書かれているし 明治から昭和初期の、本当のお金持ちの 紳士たちの風合いがよく出ていたのも好印象。 しかしそれにしても、日本って つくづく、人のために、というのが 行動する側も受ける側も根付かない国だとも 思わされた。 明治の昔から平成の今まで、あいかわらず 施し、という陰惨さがどちらにも付き纏う。 闇に引っ込んだかに見えるけれど 今はその施しすらも消えていこうとしている。 施しではなく、善意なのだけど 善意という言葉に嘘を見る時代を通って うそといわれるなにかをくっつけた 善意まで、本物も、偽物も消えていく。 勝手に生きていけばという世の中。 自分も他人も…。 その流れはもう止まらないのかなあ、と 爽やかな読後感の本なのに、ひょうと こころに風が吹いた。
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上巻では、華族の娘として生まれた満喜子の20歳代までの生い立ちが、一方、断片的に海の向こうアメリカでのヴォーリズについては、日本に来るまでの経緯が記されている。 そして、アメリカ留学に発った満喜子はその後どうなるのか。下巻に続く。
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※このレビューにはネタバレを含みます
明治17年に子爵令嬢として生まれ、東京の女子高等師範で学び、そして大阪で兄の元家庭教師の傍ら神戸女学院で音楽を学ぶ。当時の階級社会ともいうべきしがらみで乳兄弟の祐之進への熱い思いを断念せざるを得ず、25歳で米国留学へ!これが明治42年。ここで上巻は終わります。高等師範教師として津田梅子、同級生の大谷絹代、そして大先輩としての大山捨松も登場し、その当時の女性がいかに大変な環境に置かれていたか、それをどのように闘い抜けていったか、素晴らしい女性たちを教えられます。著者の文章は女性的すぎて少し読みづらいですが、満喜子やその当時の女性たちの生き方に乾杯!の心境です。
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