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森英恵
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文学・エッセイ・詩集

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 平凡社
発売年月日 2011/11/28
JAN 9784582945393

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2022/08/27

森英恵氏が8.11に亡くなられた。関連本を読んでみた。 大判の本で、モリハナエの衣装がたくさん紹介されている。この本の前に「グッドバイ・バタフライ」を読んで、氏のオートクチュールにかける思いを読んでいたので、その手縫いの「作品」がより身近に感じられた。裏表紙に青地に金銀で胸から...

森英恵氏が8.11に亡くなられた。関連本を読んでみた。 大判の本で、モリハナエの衣装がたくさん紹介されている。この本の前に「グッドバイ・バタフライ」を読んで、氏のオートクチュールにかける思いを読んでいたので、その手縫いの「作品」がより身近に感じられた。裏表紙に青地に金銀で胸から肩に向かって蝶が刺繍されているが、これが素晴らしい。1986-87秋冬オートクチュールの作品。 2011.12.25初版第1刷 図書館 「グッドバイ・バタフライ」「ガラスの蝶」は入手不能ということでブクログには出てこないのでここに記入。 「グッドバイ バタフライ」森英恵著 2010.12.15第1刷 文芸春秋 図書館 2004年7月7日、パリ・オートクチュール2004/2005秋冬コレクションを最後に、パリ・オートクチュールの世界を78歳で引退した森氏。引退後は若手を応援する活動をするようになった。今まで自伝のようなものは書いてこなかったが、これまでの仕事の道のりを、後に続く若いクリエイターたちに紡いでみよう、と書かれた。50年代の「ひよしや」開店、続く日本映画の衣装の仕事、60年代に入ってのアメリカ進出、そして77年のパリ・オートクチュール進出と、その時々の洋服、デザイン、縫製にかける思いを綴った。 とてもバイタリティに溢れた人だったんだな、というのが読んでの感想。また、オートクチュールとプレタポルテの違いもわかった。森氏はパリでどちらもやっていて、第一にはオートクチュール。注文され縫製するそれは、ほとんどが手縫いで、布地から森氏の指揮下に織られ、テキスタルデザインも森氏が行う。そこであの様々な蝶が描かれ刺繍されたのだと分かった。基本一点もの。プレタポルテは高級既製服であり、オートクチュールは布地から縫製まで極め付けのプロの分業で成される精巧な布地作品なのだった。 コレクションのファッションショーはその季節のデザイナーの作品の発表の場で、その後、そのデザインの中から注文が入り、その人のサイズに会わせ縫製される。またまったく独自に、注文が入る場合もあり、それはコレクションのデザインとは別に独自に注文者に会わせ、まさに1点ものが作られる。 オートクチュールはわたしの生き方だった、とある。その人をとりまく人々というのは、家族、親戚、仕事回りの人、近所の人、ということになるかと思うが、仕事柄、森氏の周りには有名な、資産家が多かった、という感じがした。 仕事の記述の合間に私生活も少し語られている。子育てをどうしていたのかなと思っていたが、結婚する時、実家で心配して一人お手伝いさんをつけてくれた、とあった。また長男は高校からアメリカへ、次男は中学はスイス、大学はアメリカ、とあった。社内では先生とよばれる私を、息子たちも仕事場では、少年のころからそう呼んでいた。成人して入社すると、仕事とプライベートの区別がいよいよなくなり母であるのに始終、息子たちから先生と呼ばれる存在になっていた。週末に自宅で食卓を囲む時でさえ息子や嫁から先生と呼ばれるのが日常になった。80年代以降のことなのだろうか。 夫と家内手工業のように始めた店が、高度経済成長時代ににアメリカで成長して、さらにパリで拡大した。夫とはなんでもいい合えたが、おそらく息子たちは直言しにくいこともあったのではないか、と書いている。しかし、家族全員の温かい応援のもとで続けてこられた、クチュリエというハードな仕事だった、とある。応援団である家族を、自分のライフワークの世界へ巻き込んだ面もあったかもしれない、とあった。・・でも全員で応援していたんだなあ。 1977年には原宿にハナエモリビルが竣工。たぶんそこに1回は行ったことがあり、2万円也のセーターを買った記憶。きっとボーナスをもらった直後だったのかも。そのビルも2010年に解体された。 「森英恵さん、表参道去る ハナエ・モリビルに建て替え話」2009.9.6朝日 https://www.asahi.com/fashion/topics/TKY200909050082.html 解体工事は2010.7.20から始まったようだ。 https://xtech.nikkei.com/kn/article/building/news/20100809/542772/ 「ガラスの蝶」文化出版局1984.2.12第1刷 図書館 「財界」「アサヒグラフ」「日本経済新聞」「毎日新聞」などへの1979.9月-1983.8月のエッセイ。「ミセス」への1980.1月号-1981.12月号での連載、書き下ろし。で構成。  氏が53歳~57歳くらいの時のエッセイ。パリコレに進出し、事業も上り調子、最も充実している時かも。合間を縫って読書もよくしている。

Posted by ブクログ

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