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イギリス憲政論 中公クラシックス
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2011/11/10 |
JAN | 9784121601285 |
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立憲君主制と議院内閣制を基礎づけた政治学の古典的名著である。150年前の著作ではあるが、現代国家の統治システムを考える上で不可欠な理論的基盤を提供してくれる。 立憲君主制に関しては、無教養な下層階級には政治の分かりやすさが必要であるとして、政治に演劇性と威厳をもたらす君主制の意...
立憲君主制と議院内閣制を基礎づけた政治学の古典的名著である。150年前の著作ではあるが、現代国家の統治システムを考える上で不可欠な理論的基盤を提供してくれる。 立憲君主制に関しては、無教養な下層階級には政治の分かりやすさが必要であるとして、政治に演劇性と威厳をもたらす君主制の意義が強調される。「秘密が君主の生命である。魔法を白日の下にさらしてはならない」「君主は手を下さないでいることによって、最大の英知を示す」など、伝統的な君主制擁護論者が顔をしかめそうな、権威というものに対する極めてリアリスティックかつドライな見解が表明されていて面白い。下層階級に黙って政府に従わせるために君主の権威を利用するというプラグマティズムだ。現代政治ではこうしたあからさまなエリーティズムはタブーであろうが、豊かにはなったが中身はバジョットの時代とさして変わらぬ大衆が跋扈し、ポピュリズムの蔓延する現代民主主義の病理を見る時、時代錯誤と言って済ますことのできない洞察を含んでいる。歴史と伝統の中で培われてきた政治の演劇性と威厳が失われ、その代償としてポピュリズムが支持されているという現実を直視する必要があるだろう。 また議院内閣制については、大統領制との比較が詳細に分析されており、その理論水準は今なお色褪せていない。議院内閣制は立法府と行政府の結合を意味し、大統領制はその分離を意味する。立法府が内閣を選出し、内閣が衆議院の解散権を持つことにより、両者の協力関係と緊張関係が担保され、政治の安定と議論する民主主義が両立するとされる。ただ、バジョットのモデルは二大政党制を前提に単独政党が政権交代するいわゆる「ウェストミンスター型議院内閣制」であり、これについては、イデオロギー分布や選挙制度にもよるが、日本の失敗例を見ても明らかなように、現代ではポピュリズムと結びつきやすく評価は分かれるだろう。
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2021.5.16読了。 試験勉強しながら読んだから、めちゃくちゃ時間かかってしまった。 バジョットがイギリスの立憲君主制について書いた本。 君主、内閣、貴族院、衆議院(一般には庶民院の訳語が多いかも)がイギリス社会にあってどのように機能しているかを詳しく分析している。 こ...
2021.5.16読了。 試験勉強しながら読んだから、めちゃくちゃ時間かかってしまった。 バジョットがイギリスの立憲君主制について書いた本。 君主、内閣、貴族院、衆議院(一般には庶民院の訳語が多いかも)がイギリス社会にあってどのように機能しているかを詳しく分析している。 これを読んで立憲君主の役割、イギリス議院内閣制における議会の見方(行政部の選出という役割)、貴族院の役割等について新たな見方ができた。 また、ヴィクトリア朝に書かれた本だが、当時放蕩者と言われていたエドワード皇太子(のちに外交面で大きく活躍するエドワード7世)のことを暗に皮肉っているとも読める箇所があり、その点は面白かった。
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