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風景資本論
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 朗文堂 |
発売年月日 | 2011/11/01 |
JAN | 9784947613851 |
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風景資本論
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商品レビュー
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「人間が心身ともに健やかに生きるには、自然と社会の関係を調える努力が欠かせない」と語る著者は、ランドスケイプデザイナーという、聞き慣れない肩書の持ち主だ。ランドスケイプデザインとは、「自然から生まれ出た生物種の1つである人間のつくる社会と自然との関係の調整を必須条件として人間が...
「人間が心身ともに健やかに生きるには、自然と社会の関係を調える努力が欠かせない」と語る著者は、ランドスケイプデザイナーという、聞き慣れない肩書の持ち主だ。ランドスケイプデザインとは、「自然から生まれ出た生物種の1つである人間のつくる社会と自然との関係の調整を必須条件として人間が生活する場をつくること」で、その起源は、19世紀半ばのニューヨークで、悪化した都市環境の改善のためにつくられたセントラルパークにまで遡る。 そんな著者が、風景をその土地が持つ「資本」と考え、その理解の仕方、またそこへ行う投資の方法や考え方などを、実際の土地(仏ストラスブール、神奈川県箱根町など)を例にとって解説したのが本書だ。 環境問題がさかんに議論される昨今だが、「風景」と言う視点で見ると、環境と人間のあり方の新しい面が見えてくる。
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20110311 前日、東京に転勤の荷物を運んで深夜バスに乗り込んだおいらは、また被災を免れた…1995年、前任校に配属された時も、0117阪神淡路大震災の後で、現地入りしたのは3月だった…悪運が強い…といえばいえるが、同時に支援する立場も中途半端で当事者感覚が希薄だった。 今回はそうならないよう、でも調査やワークショプなどの先頭ではなく、裏方として働くことにした。事務仕事を通じてでも支援はできるし、その大切さは実感していた。距離をとりつつ、仕事をする過程で、徐々に被災地との結びつきが作れたら…と思っていた。 そんな時、忘れられない言葉があった…いや正確には言葉は覚えていない。覚えているのは「怒られた」感覚だった。所属する学会の学生がWSで被災地に入る時、「現地はまだ復旧の段階で、復興云々は時期尚早だ」と発言した人がいると、人づてに聞いた。それが廣瀬俊介氏だった。 被災地に関わる心づもりを、自分ではしていたつもりだったが、このことはおいらには強烈に「響いた」。そんな彼の本である。朗文堂さんからの出版案内に描かれた丁寧な絵と、それに書き添えられた端正な文字。その時点ですでに惹かれた。 「あるもののあり方を考えるところから、そのあり方に即したかたちを成すまでの仕事が本当の『デザイン』に当たる」「『経営』は『力を尽くして物事を営むこと』で、地域経営とは結局のところ人間の生活と地域社会を持続可能にすること」…文章の端々から、謙虚さと言葉への、自らの活動への、風景への責任感が伝わってくる。これまで成し遂げてきた仕事からの自信なのだろう。 風景を「資本」として考えるには、それを「資本」と認識する一般の方々の、広がりと深さが不可欠で、そこにはまだ大きな課題があると思う。だが、少なくともその課題に斬り込む可能性をこの本は持っていると思う。例えば、この本を工学系のうちの学生に読んでもらえば、彼らにも環境を読み解く必要性や「風景が資本であること」を理解してもらえそうだと感じられた。 巻末、大学院生の聞き取り調査に答えつ過程で、廣瀬氏が、自身の少年の頃の「皮膚感覚」「質感」について記述した箇所がある。実は彼とは同い年なのだ。おいらもまた子供の頃の生活に、視覚以外の「皮膚感覚」の思い出がある。家の裏手の児童公園の原っぱや斜面の草いきれ…芝に敷かれたマットの冷たさ。団地の狭い居間に置かれた、ちょっと大きめの皮(もちろん人工皮革)のソファと、その上にかけられた羊の毛布…。プラスチックの波板に囲まれたテラス、板敷のテラスにバラバラと広げてたレゴ…プラスチックでチープで、でも愛おしい60〜70年代…震災の被災地の多くの「ガレキ」は、個々の被災者にとっては皮膚の先にあったものなのだ。 きっと近い将来、おいらは廣瀬氏とどこかで出会うだろう。その時、何を話し、語ることができるか…今から楽しみであると同時に、不安でもあり、気が引き締まる思いもある。
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