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可視化された帝国 近代日本の行幸啓 始まりの本
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可視化された帝国 近代日本の行幸啓 始まりの本

原武史【著】

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可視化された帝国 近代日本の行幸啓 始まりの本

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 みすず書房
発売年月日 2011/11/11
JAN 9784622083443

可視化された帝国

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商品レビュー

3.5

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2012/05/04
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鉄道が形成する「可視化された帝国」 ベネディクト・アンダーソンの『想像の共同体』(NTT出版)は、近代史や近代文化史を研究する者にとっては、いわば基本中の基本ともいうべき現代の古典の一冊であろう。本書は、アンダーソンの「想像の共同体」論を、明治以降の近代日本の実状とすり合わせながらがら、国民国家の成立にメディアがどのような役割を果たしたのかを分析する。 国民国家の制度化に先行する「想像の共同体」は出版メディアによって可能となるという筋書きだが、筆者は日本社会においては、それに相当するものがなかったという。では、日本の近代国家の成立に貢献したメディアは何なのか。筆者は鉄道に注目する。 メディアといえば、情報を伝達する手段をイメージするから、「鉄道がメディア?」と聞けば違和感があるかも知れないし、鉄道ファンを自認する筆者ならではの牽強付会?と思うかも知れないが、それは早計だ。鉄道も情報を伝達するひとつの手段であるし、情報だけでなく人間そのものを「結びつける技術的な手段」という点においては、具体的なメディアであろう。 さて鉄道に注目する筆者は、明治期の国民国家形成に果たした最大の役割を、鉄道を用いた天皇の行幸啓であると指摘する。天皇の「お召し列車」が全国各地を通過することで、各地域のひとびとは動員される。決められた時間どおりに走る列車に向かって、いっせいに敬礼する。この振る舞いが拡大することで「帝国」が「可視化」されながら成立していくとみるのである。 本書は天皇制論、政治学、文化史としての価値が高い一冊であることはいうまでもないが、「鉄道文化史」としても面白い一冊である。

Posted by ブクログ

2012/02/15

<目次> 1 序論 1-1 「想像の共同体」論への疑問 1-2 時代区分の設定 2 明治初期の巡幸 2-1 8回にわたる巡幸 2-2 身体をさらす天皇 2-3 並立するカリスマ 2-4 鉄道に乗る天皇 3 明治後期の巡幸と巡啓 3-1 巡幸から行幸へ――1890年の行幸 3-...

<目次> 1 序論 1-1 「想像の共同体」論への疑問 1-2 時代区分の設定 2 明治初期の巡幸 2-1 8回にわたる巡幸 2-2 身体をさらす天皇 2-3 並立するカリスマ 2-4 鉄道に乗る天皇 3 明治後期の巡幸と巡啓 3-1 巡幸から行幸へ――1890年の行幸 3-2 嘉仁皇太子の少年時代――1900年の巡啓前史 3-3 皇太子、初めての九州へ――1900年巡啓 3-4 人民との接近――1902、03年の行幸 3-5 天皇の名代として――1907年の巡啓と行啓 3-6 韓国訪問――1907年の巡啓と行啓 3-7 全国巡啓の達成――1908-12年の巡啓と行啓 4 対象機の行幸と巡啓 4-1 ふたつの<視覚的支配>の再整理 4-2 大正天皇の悲劇――対象機の行幸 4-3 裕仁皇太子の東宮御学問所時代――1915-20年の巡啓と行啓 4-4 新しい政治空間の成立――1921.22年の巡啓と行啓 4-5 台湾訪問――1923年行啓 4-6 二度目の全国巡啓の達成――1923-26年の巡啓と行啓 5 昭和初期の巡啓と行啓 5-1 <可視的支配>の収斂――満州事変の勃発まで 5-2 「可視化された帝国」の完成――15年戦争期 6 結論 補論1 「国体」の視覚化――大正・昭和期における天皇制の再編 補論2 戦中期の<時間支配>

Posted by ブクログ

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