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河北新報のいちばん長い日 震災下の地元紙
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2011/10/28 |
JAN | 9784163744704 |
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河北新報のいちばん長い日
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商品レビュー
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被災直後の取材や新聞発行に意味はあるのか。 取材用のヘリで上空から津波に襲われた被災者をカメラ撮影しながら自問する。救済ヘリと間違われ、助けもしない自分に価値はあるのか。号外を届ける。号外そのものは無料であり、新聞社の矜持とも言える。被災者からの声。テレビやインターネットが繋が...
被災直後の取材や新聞発行に意味はあるのか。 取材用のヘリで上空から津波に襲われた被災者をカメラ撮影しながら自問する。救済ヘリと間違われ、助けもしない自分に価値はあるのか。号外を届ける。号外そのものは無料であり、新聞社の矜持とも言える。被災者からの声。テレビやインターネットが繋がらない中、何が起こっていたかわからなかった。新聞配達により、社会との繋がりが確認できて救われた。 河北新報。白河以北という意味らしい。東日本大震災。私はその時日本にいなかったから、外国のニュースでその被害状況を知った。国際電話だと通じるからと、日本から知人が私経由で安否を探った。東京で起こった事は聞いたが、東北の話は、テレビやネットでしか知らない。映像が無いのに、本の方がリアルなのは、心理描写や詳述の長さ、いや、何より、読書と感情のスピードが合わせられるため、シンクロし易いからだろう。映像だと、コマ送りより感情が先に行ったり、置いてきぼりになる。 自らも被災者である河北新報社員。寄り添って、皆んなで食料を工面しながらも、街は水も電気も止まり、仕事場の予備電源、または、集団の方が安全だからと、職場に集まり、助け合い、仕事を続ける。非日常の雰囲気、連帯感。死を乗り越え、ドラマがあったのだ。 死亡一万人超すと表現するべきか悩み、死亡を犠牲と改める。リアルだ。新聞社に限らず、世の仕事の多くは、適切な言葉を選ぶ事。外交、販促、交渉、プレゼン、説明、PR、契約。事実を伝える使命感と、被災者の心理を気遣う葛藤。死亡とは書きたくない。事実よりも配慮を選ぶ。それが正しかったのかは分からないと回顧する。言葉の背後にある心を考えさせられる内容だ。
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随分前に買った本で、もう何度目かの読み返し。 この時期には、特に読みたくなる。 あの日、それぞれがそれぞれの場所で、自分の役目を果たすべく奮闘していたのだなぁと、胸が熱くなる思い。 私も、それなりに頑張りました。 それが、誰かの役に立っていたらいいなと、今更ながら。
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東日本大震災発災直後から現場に向かった地元紙河北新報。取材した記者たちのあの日あの時目の当たりにした目を背けたくなる現実をありのままに描きまとめたドキュメンタリー。 一人ひとりの記者としてのプライド、誇り。「いまなにをするべきか」に迷い、ときには安全性との葛藤に苦しみながらも、...
東日本大震災発災直後から現場に向かった地元紙河北新報。取材した記者たちのあの日あの時目の当たりにした目を背けたくなる現実をありのままに描きまとめたドキュメンタリー。 一人ひとりの記者としてのプライド、誇り。「いまなにをするべきか」に迷い、ときには安全性との葛藤に苦しみながらも、取材を続けたひとたちに心の底からの敬意を表したい。そのとき何一つできたことはなかったと自分の無力さに苦しみ、現場を離れたことへの後悔をいまなお抱えた誇り高い記者のひとたちにいま平穏な日々が訪れていることを信じたい。 読みながら何度も涙が止まらなくなった。彼らの悲しみや葛藤や迷いが取り繕うことなくありのままに伝わってきた。「原発が爆発した福島で取材を続けるべきか」「凄惨な津波の写真をそのまま使うべきか」「『死者』と書くか『犠牲』と書くか」地元紙としての矜持を胸に極限の状態の中様々な判断をせざるを得なかった彼ら。 言葉で表現する力を持った人たちがこうしてその被災直後の様々な思いを残す意義を強く感じた一作だった。
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