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風にそよぐ草 集英社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2011/10/20 |
JAN | 9784087606331 |
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風にそよぐ草
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商品レビュー
3.7
3件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
巨匠の作品だとは全く思わずに、フレッシュな才能だなあと思いながら見ていたので、アラン・レネと知ってびっくりした。でも、シュールな台詞の終わり方とかを見れば、納得もした。マチュー・アマルリックを久しぶりに見た。ほとんど「そして僕は恋をする」と変わってなくて嬉しかった。 コミカルに起こりえない恋愛を描いていくのは力業を感じた。妄想が現実になり、いつもまにか恋をしていて、どっぷり嵌まっている。突っ込み甲斐があり、見ていて楽しい映画だった。
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2012年に岩波ホールで日本公開された同名の映画(アラン・レネ監督)がどうにもこうにも気に入ってしまい、珍しく原作小説を買ってみました。自由気ままで軽やかな印象の映画は、実は非常に原作の語り口に忠実な映像化だということが分かりました。 そう、語り口が問題です。この小説は謎の第三...
2012年に岩波ホールで日本公開された同名の映画(アラン・レネ監督)がどうにもこうにも気に入ってしまい、珍しく原作小説を買ってみました。自由気ままで軽やかな印象の映画は、実は非常に原作の語り口に忠実な映像化だということが分かりました。 そう、語り口が問題です。この小説は謎の第三者が語っています。登場人物の行動を描写するのみならず手前勝手な感想を述べたり、自問自答したり、形容をいたずらに積み重ねてやたらと文章を長くしたり、やりたい放題、無責任。しかも登場人物のダイアローグも心の声もカギカッコなしで、どこからどこまでが地の文なのかがわかりにくい。誰かの話し口調に似ているな、と思ったらジャズミュージシャン菊地成孔さんのラジオ番組が思い当たりました。 作者クリスチャン・ガイイもジャズ演奏家としてのキャリアがある人だそうです。妙に手数が多いのにリズム感があり、クセになる愉快な文章はジャズに一脈相通じる気がしてなりません。そして、この気持ちいいグルーブを生み出した翻訳家河野万里子さんのセンス、テクニックも相当なものとお見受けします。 さて、大筋はといえば初老の男ジョルジュと、中年にさしかかった美しきヒロインマルグリットとのラブストーリーです。ご存じの通りフランスは自由恋愛の国。日本では不倫と呼ばれる既婚者の恋も、ありふれた恋のバリエーション。夫や妻の目が他へ向いてしまうのも配偶者に半分は責任があり、人間関係は常に一対一、逃げ場なしの個人主義(というイメージです)。 そんなわけで、無職の甲斐性なしであるジョルジュは、自分の代わりに働いてくれる有り難い妻がいるにもかかわらず、堂々と恋の熱に浮かされ常軌を逸していくのです。そのありさまがみっともなくも可笑しい。 心に残る言い回しの多い文章で、特にマルグリットの美しさの表現にかけては筆も余計に乗っている。けれど、私はジョルジュに関するこんな描写が気に入っています。 “なかなかよかった、彼は実際に。そう言える。それはどういう意味かと言われればどういう意味でもないのだが、やはりそう言える。特別にいいものを着ているわけではない。でも本物のエレガンスがある。これもまたなんの意味もない。本物のエレガンス?それは無ということだ。”(p159-160) どうでしょう、手のひらを返したような、男に対するこの冷たさときたら笑ってしまいます。この小説の主役は食えない語り手のパーソナリティかもしれません。
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で どんな話だったんだろう? 訳者はあとがきで、ガイイの小説にはリズムや旋律があるというが(「引用」 参照)、私には残念ながら、リズムも旋律を感じることができなかった。
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