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芸術の陰謀 消費社会と現代アート
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芸術の陰謀 消費社会と現代アート

ジャンボードリヤール【著】, 塚原史【訳・解説】

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芸術の陰謀 消費社会と現代アート

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 NTT出版
発売年月日 2011/10/11
JAN 9784757142770

芸術の陰謀

¥2,475

商品レビュー

3.8

11件のお客様レビュー

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2016/03/13

 現在いたるところに氾濫しているポルノの中で、欲望への幻想が失われているとすれば、現代アートの中で失われているのは、幻想への欲望である。

Posted by ブクログ

2015/11/29

「泉」などで有名なマルセル・デュシャンや「キャンベルのスープ缶」などで有名なアンディ・ウオーホルなどをイメージさせながら、芸術においてオリジナル不在のシミュレーションの台頭、芸術におけるオリジナル性に起因する特権の剥落、高騰する現代アートのマーケットと不釣合いな「無価値・無内容(...

「泉」などで有名なマルセル・デュシャンや「キャンベルのスープ缶」などで有名なアンディ・ウオーホルなどをイメージさせながら、芸術においてオリジナル不在のシミュレーションの台頭、芸術におけるオリジナル性に起因する特権の剥落、高騰する現代アートのマーケットと不釣合いな「無価値・無内容(nul)」な現代アートの数々という刺激的な内容が続いている。フランス思想系の本は読んだことがなかったので読みにくさはあるものの、現代アートに対する理解としては非常に納得感のある本であった。

Posted by ブクログ

2013/12/31

芸術は「無価値・無意味」となったとするジャン・ボードリヤールの過激な小論文と、それに対するインタービュー集を収録。 あらゆるポルノの氾濫の中でポルノへの欲望の幻想が失われてしまったのと同様に、現代アートもあらゆるものごとを美的な凡庸さに上昇させるトランス・エステティック(「美」...

芸術は「無価値・無意味」となったとするジャン・ボードリヤールの過激な小論文と、それに対するインタービュー集を収録。 あらゆるポルノの氾濫の中でポルノへの欲望の幻想が失われてしまったのと同様に、現代アートもあらゆるものごとを美的な凡庸さに上昇させるトランス・エステティック(「美」と美的判断を超えた状態)となってしまった故に、芸術が持っていた美に対する幻想への欲望を失ってしまった。モノ自体が有用性から切り離されたガジェットであっても消費社会では一般に流通し、また、テクノロジーの進歩で誰もが疑似的に容易くモノを製作できるキッチュが横行する中では、凡庸で日常な製品を素材とし、主題としての美ではなく客体としてのモノをコード化して表現・主張する現代アートは、もはや意味を持たないモノ=オブジェそのものであり、芸術は美と醜という観念を超えたハイパーリアルな世界となってしまっている。 そして、そうした現代アートは凡庸で日常的なものを組み合わせて、それが芸術だと言い張るが、実は誰もが作成可能なオリジナルのないコピーというシュミラークルの世界に過ぎない。ここでは製作者のみならず観客も、このような「無価値・無意味」なモノが本当に「無価値・無意味」であるはずがないという逆説的な意味と捉え、芸術の「無価値・無意味」化に共犯として加担しているが、美術界全体がこのようなモノに驚愕すべき価格をつけることでさらに「無価値・無意味」であるはずがないという二重の陰謀となっているとしている。 こうした論考の中でもアンディ・ウォーホルについては、現代アートの表現の主観性の喪失という事態に、むしろイメージの中心部に虚無を再導入したとし、ボードリヤールの絶え間なき興味の対象として別格扱いしているのは興味深い。 確かに解説にもある通り、きょうびパソコンやデジカメとちょっとした技術があれば誰でもプチ・ウォーホルになれる世の中だ。誰もが主張し、そのものの意味を持たないオブジェに過ぎなくなったモノが世界へ拡散されていく社会において、「芸術」とされるモノ=オブジェに対するボードリヤールの視点はあくまでもアイロニカルに溢れ、辛辣に核心をつく言説となっている。しかし、凡庸なる人々(自分も含めて)が持っていたに違いない漠然とした不安感をこのように世の中にさらけ出さずして、芸術への審美観念の再生が行われるはずがない。(再生するとすればだが。)ボードリヤールの亡き今、もはや次なるステップへの導きがないということは誠に残念な話だ。 ボードリヤールの文章は詩的で比喩に飛んでいるため、なかなか真意が掴みにくいが、その華麗なる筆致には今回も魅惑させられた。解説が読者の理解によく意を払っているのも良かった。

Posted by ブクログ

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