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それでも日本は原発を止められない
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 産経新聞出版 |
発売年月日 | 2011/10/06 |
JAN | 9784819111454 |
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商品レビュー
3
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平成23年10月刊行 東日本大震災後の、脱原発の流れについて、 原子力の技術者側からの目線で、 原子力がなぜ必要なのか、これからの原子力は? 過去の問題点、これからの課題について、 日本と諸外国のエネルギー問題など、 とてもわかりやすく書いてあって、 勉強になった。 まだ...
平成23年10月刊行 東日本大震災後の、脱原発の流れについて、 原子力の技術者側からの目線で、 原子力がなぜ必要なのか、これからの原子力は? 過去の問題点、これからの課題について、 日本と諸外国のエネルギー問題など、 とてもわかりやすく書いてあって、 勉強になった。 まだまだ原子力については、 知らないことがたくさんあるなぁ 今現在どうなっていて、これからどこへ向かうのか 非常に気になるので、 関連図書を読んでみようと思う
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こんな事態になっても日本は原発をやめることができないという、アンチ原発派の書かと思いきや全くその逆であった。3.11以来「反原発」「脱原発」の声が一挙に高まったことを受けて、そうした流れは将来の日本を危ういものにするということに気がつくべきだと、原発の必要性を対談形式と書下ろしで...
こんな事態になっても日本は原発をやめることができないという、アンチ原発派の書かと思いきや全くその逆であった。3.11以来「反原発」「脱原発」の声が一挙に高まったことを受けて、そうした流れは将来の日本を危ういものにするということに気がつくべきだと、原発の必要性を対談形式と書下ろしで説いていく。ただ、随所に出てくる、反原発の人々に対する極端とも思えるくくり方には、かなり引っかかるものがあり、そうした表現は、逆に原発の必要論としては逆効果になっているように思える。
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東北電力が学祭で無料配布していた本の2冊目。一見、原発は妥当だと思うかもしれないが、騙されてはならない。特に対談部分(1~5章)は突っ込みどころ満載だ。それらを列挙していくと以下の通りだ。 第1章 ・「東電は規制を守っていた」(p.27)というのは嘘である。点検漏れや故障箇所の...
東北電力が学祭で無料配布していた本の2冊目。一見、原発は妥当だと思うかもしれないが、騙されてはならない。特に対談部分(1~5章)は突っ込みどころ満載だ。それらを列挙していくと以下の通りだ。 第1章 ・「東電は規制を守っていた」(p.27)というのは嘘である。点検漏れや故障箇所の虚偽などが日常茶飯事であったことは、福島第一原発事故以前から指摘されていた。 ・「自然がアンノウンである」(p.30)にもかかわらず、「そこまでやっておけば、福島のような形にはならない」(p.31)と言い切ることはできない。福島の事故は国会事故調でも指摘があったように、シビアアクシデントに対する備えが不十分だったことが原因だ。事故が起こることを前提にして、最善の策を練ることが重要である。 ・「放射能については、原子炉が止まると徐々に落ちていきます」(p.31)と述べている。しかし問題となっているのは、何千年経っても高濃度の放射線を発する放射性物質があることで、それを処理する能力を現人類が持ち合わせていないことである。 ・東電が「ビジネスライクにコスト競争にかまけてしまった」のは事実だろう。しかしその原因が「電力市場の自由化という制度設計の問題」(p.48)というのは成り立たない。電力自由化はまだ行われていない。 唯一説得力があるのは第1章にある『「電力自由化」論こそ事故に学んでいない』(pp.32-34)だけだ。中野が指摘しているように、福島第一原発事故が経済性を重視していった結果であれば、電力自由化や発送電分離も同じく、経済性を考えてのことなので、この二つは矛盾する。 しかし擁護するわけではないが、そもそも電力自由化は経済性を重視するものかどうか疑問が残る。電力自由化によって、高くても自然エネルギーを求める人もいれば、安くすむ原子力エネルギーを求める人もいるからだ。このように考えると、経済性うんぬんの話はお門違いなのではないだろうか。 2章 ・固定価格制度は「10年後になっても10年後の古い技術にもっとも高いお金を払うことになる」(p.53)とあるが、電力料金が日々変わるように、固定価格も変わるように設定すればよい。それは政策で容易にできるはずだ。 ・固定価格制度は「逆進性がある」(p.53)というが、だからこそ電力自由化が叫ばれているのだ。 ・ウランを輸入している以上、「エネルギーの独立性」(p.63)を実現することはできない。使用済み核燃料の再処理技術も日本ではまだ確立されていない。 3章 ・使用済みMOX燃料を再処理する技術は日本にはまだない。またその再処理は最初の使用済み核燃料を処理するよりも難しい、すなわち事故を起こす危険性が増すということだ。 ・「深い地下は、何十万年にも渡って何の変化も起こってない」(p.107)と言うが、直接処分が数万年後に与える、生態系への影響は未知数である。またフィンランドではオンカロ(直接処分した使用済み核燃料が貯蔵してある場所)に地下水が侵入し始めていることが問題になっているようだ。既に直接処分の課題が浮き彫りになっている。 5章 山名は「原子力なら安定したエネルギーを確保できる」(p.164)と言うが、その論拠はなにか。海外から輸入しなければウランは手に入らない。リプレースについて「地元の方々はよく理解されていると思います。男性だって女性だって原子力についてよく知っている。」と述べているが、その論拠がない。 このように突っ込もうと思えばいくらでも突っ込める。「原子力は安全」、「環境に優しい」という主張は一面的なもので、多面的にみたら成り立たないことは明からだ。「原子力発電は経済性に優れている」と言い張る人も居るが、政府や事業者がきちんとした数値を公表していない以上、その真偽は定かではない。また事故補償のことや廃炉、使用済み核燃料の処理のことまで考えると、明らかにコストが高くなるはずだ。あらゆる側面から原子力発電について考えると、本当に原子力発電が妥当か疑問が残る。
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