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誰にも出来る殺人/棺の中の悦楽 山田風太郎ベストコレクション 角川文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 角川書店/角川グループパブリッシング |
発売年月日 | 2011/09/23 |
JAN | 9784041356722 |
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誰にも出来る殺人/棺の中の悦楽
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商品レビュー
4.1
10件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
※誰にも〜は廣済堂版で先日すでに読んだので、ここには、評判をきいて手にとった、同時収録の棺のなかの〜の感想を書きます。 すごく面白かった! 主人公が特殊な状況にいるのに、わりと普通の感覚を失わないので、そこに好感が持てた。 期日までに大金を使い切る、というテーマはインド映画にもあったなぁ。人間の夢だよね。 この場合は破滅的な理由から始まるので、主人公は鬼気迫る想いなんだけど、3年の期日はけっこう長くて、そのあいだに、感情が動く様子も面白い。 自棄になって、けっこうすぐに本心を明かしてしまったりする。 6人の花嫁たち、そのドラマ。どの女たちも一種の理想だし、みんな最後にはあっぱれの覚悟を見せてくれる。 主人公よりよほど男前なわけ。 速水の顛末は想像がついたけど、最後の台詞のどんでん返しは最高だな! 山田風太郎のストーリーテラーとしての力をこれでもかと見せてくれた本作、むちゃくちゃ気に入りました。 面白い設定だなーー。 この1500万は、今で言えば億単位なんだろうね。 男のロマンであるところの幻想的な、女と金と時間。 この世は淡い夢のようなものだ。 ラストで現実に叩き落されるさまは痛快でもあるし悲哀でもある。 オチの書き方も素晴らしかった。大満足。
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え?山田風太郎を読んだこと無いの? と驚かれて、この本を読みました。 何故?今まで読まなかったの?
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「棺の中の悦楽」目当てで購入。「誰にも出来る殺人」はすでに読んでおり、これが山田風太郎得意の書簡体小説だが、「棺」はそうではない。「棺」の方が後に書かれたせいか、初期のミステリ作品に比べ、人物や場面の描き方が丁寧になっているように感じた。もしくは、これまで読んできた作品が、語り手の独白が中心のものが多かったから、そうではなく三人称で描かれることによって、そう感じたのかもしれない。個人的には、第三の花嫁に手を出せずに躊躇するところ、第四の花嫁をいたぶり、それをただ見ている無力の夫に自分を投影する箇所が面白かった。 自分としては過去最高級に面白かったが、読書会で発表したところ、受けは微妙であった・・ あらためて考えればやはり山田風太郎は娯楽小説の域を出ないのだろうか?いや、そうでないと思う。主人公は決して特異な人物として描かれてはいない。むしろどこにでもいる、「誰にも出来る」、「誰にも起こりうる」こととして描かれている(こんなに破天荒な内容に思われても)。「誰にも出来る殺人」にあったように、人は殺し合い犯しあい歴史をつくってきた存在で、人間とは生まれながらに愚かなのだ、教育では如何ともし難いのだ、と山田風太郎じしん、わかっていながら、やはり愛すべきものとして人間を描いているのだと私は考える。
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