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量子力学の哲学 非実在性・非局所性・粒子と波の二重性 講談社現代新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2011/09/17 |
JAN | 9784062881227 |
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量子力学の哲学
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商品レビュー
3.7
20件のお客様レビュー
《感想》 覚悟はしていたがやはり難しい。量子力学について多少の知見はあるはずだが、それでも読み解くには普段より多く脳を働かせなければならなかった。しかしながら量子力学の様々な解釈についてきちんとまとめられた書籍は多くないだろうし、歴史的な背景や余談も豊富で充実していたように思う。...
《感想》 覚悟はしていたがやはり難しい。量子力学について多少の知見はあるはずだが、それでも読み解くには普段より多く脳を働かせなければならなかった。しかしながら量子力学の様々な解釈についてきちんとまとめられた書籍は多くないだろうし、歴史的な背景や余談も豊富で充実していたように思う。必要にせまられたら再読するという読み方もありか。売ったりせず本棚には残しておきたい1冊である。 《メモ》 ①ある出来事が空間的に十分離れた別の出来事に瞬間的に影響を与えることを「非局所相関」という(エンタングルメントのことか)。 ②物理学の基本精神は「なるべく少ない仮定で多くのことを説明する」。 ③ド・ブロイは「今まで波だと思われていた光が粒子でもあったのだから、今まで粒子だと思われていた電子が波だったりしてね」と言い出し、その後電子に対して行われた二重スリット実験によって干渉縞が観測された。 ④「軌跡解釈」とは、光や電子は粒子だがガイド波と呼ばれる目には見えない波に乗って粒子が動いている、という解釈。「存在論解釈」「因果解釈」「パイロット波解釈」という呼び名もある。 ⑤量子力学の哲学における4つの課題と標準的な解釈(コペンハーゲン解釈) (1)測定前の物理量は確定した値をもつか(実在するか)? ┗標準的な解釈:もたない。もしくは、それについて議論することは無意味。 (2)非局所相関はあるか? ┗標準的な解釈:ある。 (3)射影公理をどう扱うか(状態の収縮をどう扱うか)? ┗標準的な解釈:射影公理を認める。 (4)粒子と波の二重性をどう考えるか? ┗標準的な解釈:粒子と波の二重性を認める。
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「本書では、量子力学のさまざまな解釈を紹介する。これらはいずれも「解釈」であるから、量子力学が経験的に正しいこと(実験事実をうまく予測したり説明したりすること)を認める。つまり、実験的に確かめることができるものについては、どの解釈も一致しているのだ。それゆえ、どの解釈が正しいのか...
「本書では、量子力学のさまざまな解釈を紹介する。これらはいずれも「解釈」であるから、量子力学が経験的に正しいこと(実験事実をうまく予測したり説明したりすること)を認める。つまり、実験的に確かめることができるものについては、どの解釈も一致しているのだ。それゆえ、どの解釈が正しいのかを実験的に確かめることは、いまのところできない。だから、これは「科学」ではなく「哲学」なのである。(p.7)」 量子力学の非-常識的な性質は、それこそ量子力学が提唱された黎明期において既に指摘されていた。それというのは、本書の副題にあるように、「非実在性・非局所性・粒子と波の二重性」のことである。以降、不可思議な量子の世界を何とか人間が分かる形で言語化しようと様々な「解釈」が考案されてきたが、残念ながら未だ、物理学者や科学哲学者の皆が同意するような解釈には至っていない。 量子力学に対する批判として最も有名なのはEinsteinらによるEPRパラドックスの議論だろうが、量子力学の非-常識さを定量的に表現できたのはBellの定理が最初らしい。本書も、このBellの定理から始まる。 Bellの定理の主張は、「(B1)量子力学系における物理量はいつでも明確な値をもっている (B2)量子力学系において局所的な相関しかない (B3)量子力学は経験的に正しい の三つが同時に満たされることがない(p.120)」というものである。現在の標準的な解釈(コペンハーゲン解釈)は、(B1)と(B2)を諦め、状態の収縮を認める射影公理を導入するというものであるが、この「諦め方」は他にも色々な可能性が考えられる。本書では、その様々な解釈がパターンごとに整理されて紹介されている。名前だけ列挙すると、GRW理論、デコーヒレンス理論、軌跡解釈、多世界解釈、裸の解釈、多精神解釈、単精神解釈、一貫した歴史解釈(多歴史解釈)、様相解釈、交流解釈、時間対称化された量子力学…。こうして改めて並べてみると当然というべきか結構沢山あって驚くが、Bellの定理やKochen-Speckerの定理などのNO-GO定理のために何かを守るためには何かを諦めねばならないので、そこに解釈の「個性」が生じるわけだ。 筆者の一推しが、「時間対称化された量子力学」という解釈である。この解釈によればBellの定理を破ることなく実在性や局所性を守れるので、著者の『アインシュタインvs量子力学』を読んだ時は、どこが悪いのか・なぜもっと支持されないのかが分からなかったのだが、本書では、確かに有力ではありつつ問題点があることも述べられていた。曰く、「ハーディのパラドックス」と呼ばれる状況において、負の確率(みたいなもの)が出てきてしまうそうだ。しかも、それが単なる思考実験にとどまらず、大阪大学の研究チームによって実際の実験として行うことに成功したらしい。この負の確率に対して幾つか説明が提案されてはいるそうだが、取り敢えず留保というのが現状のようだ。負の確率がどのようにして導かれるのか非常に気になるが、本書では数式などは登場しないので分からないのが残念。 新書にしては、とても難解。多分、常識が通用しないために理屈を積み上げていくしか方法がなく、頭がこんがらがってしまうんだろうなぁ。 はじめに 1 量子力学は完全なのか 量子力学のなにが不思議なのか1 2 粒子でもあり波でもある? 量子力学のなにが不思議なのか2 3 不可思議な収縮の謎を解け 4 粒子も波もある 5 世界がたくさん 6 他にもいろいろな解釈がある 7 過去と未来を平等に考えてみる 読書案内 索引
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量子力学は完全なのか―量子力学のなにが不思議なのか1◆粒子でもあり波でもある?―量子力学のなにが不思議なのか2◆不可思議な収縮の謎を解け◆粒子も波もある◆世界がたくさん◆他にもいろいろな解釈がある◆過去と未来を平等に考えてみる 著者:森田邦久、1971姫路市出身、科学哲学者、大...
量子力学は完全なのか―量子力学のなにが不思議なのか1◆粒子でもあり波でもある?―量子力学のなにが不思議なのか2◆不可思議な収縮の謎を解け◆粒子も波もある◆世界がたくさん◆他にもいろいろな解釈がある◆過去と未来を平等に考えてみる 著者:森田邦久、1971姫路市出身、科学哲学者、大阪大学基礎工学部→同大学基礎工学研究科→同大学院文学研究科、早稲田大学高等研究所准教授
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