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寺山修司全歌集 講談社学術文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2011/09/14 |
JAN | 9784062920704 |
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寺山修司全歌集
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商品レビュー
3.8
7件のお客様レビュー
寺山は短歌の可能性を大きく拡大し、短歌はこんな表現ができるのだ、と示してみせた。 寺山に衝撃を受けたのは映画「書を捨てよ、町に出よう」だった。 千石の三百人劇場で、ATG特集でこの作品に出会って、映画はこんなことが出来るのだ、こんなことをしても良いのだ、と驚かされた。 その原点...
寺山は短歌の可能性を大きく拡大し、短歌はこんな表現ができるのだ、と示してみせた。 寺山に衝撃を受けたのは映画「書を捨てよ、町に出よう」だった。 千石の三百人劇場で、ATG特集でこの作品に出会って、映画はこんなことが出来るのだ、こんなことをしても良いのだ、と驚かされた。 その原点は短歌にあったのだ。 上の句と下の句の断絶と飛躍。 立て続けに繰り出される鮮烈なイメージ。 因習と革新。 読む度に心が震え、その革新性に震撼する。 塚本邦雄と寺山が、ほとんど停滞していた短歌を現代に甦らせたのだ。
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マッチ擦るつかのまの海に霧深し身捨つるほどの祖国はありや など、胸をえぐられるような歌もありつつ、事前に期待?したような、ページをめくるたびハっとさせられるということではない。 血とか墓とか盲目とか、ショッキングな単語を使い、卑近なものと遠いものを結びつけるというような技...
マッチ擦るつかのまの海に霧深し身捨つるほどの祖国はありや など、胸をえぐられるような歌もありつつ、事前に期待?したような、ページをめくるたびハっとさせられるということではない。 血とか墓とか盲目とか、ショッキングな単語を使い、卑近なものと遠いものを結びつけるというような技巧・・・短歌の中でどう表現するか、という形骸に囚われている感じもする。若書きとも言えるのではないか。 「全歌集」というのは寺山自身がつけたタイトルらしく、跋文にあるように、自身の(歌の)墓標であるという。つまり「歌はこれで棄てた」という覚悟のようなものがむしろ印象的であった。 つくづく、歌は生き様そのものなのだ。
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一つだけ補足しておきたいことがある。それは行為と実践のちがいである。詩人もまた他の文学者たちと同じように行為者であるべきだが、実践してはならない。たとえば本気でデモの効果を信じ、テロを信じ、世直しのための実践活動家になってはいけないのである。ヒットラーはゲルマンの血の純血という夢...
一つだけ補足しておきたいことがある。それは行為と実践のちがいである。詩人もまた他の文学者たちと同じように行為者であるべきだが、実践してはならない。たとえば本気でデモの効果を信じ、テロを信じ、世直しのための実践活動家になってはいけないのである。ヒットラーはゲルマンの血の純血という夢のために詩的行為の人となったが、実践しようという意識に欠けており、明確に明日の人類のヴィジョンをもっていなかったために二十世紀の悪霊と言われた。しかし、彼はそれゆえに芸術家でありえたのだし、純粋だったのだと私には思われてならない。(塚本邦雄 評)
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