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部下の新妻 二見文庫
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部下の新妻 二見文庫

深草潤一【著】

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部下の新妻 二見文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 二見書房
発売年月日 2011/08/27
JAN 9784576111155

部下の新妻

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2013/12/17

表の顔と本当の裏の顔が見え隠れする夫婦のドラマ

タイトル通りに部下の新妻としっぽり上手くイタしてしまうおいしい話ではあるが、回春の要素が散りばめられた主人公(58歳)を含む計3組の夫婦の、どこかしら仮面夫婦のように自分の夫(妻)に見せる建前と別の夫(妻)に見せる本音とが巧みに織り交ぜられたドラマとしても秀逸な作品だった。若年で...

タイトル通りに部下の新妻としっぽり上手くイタしてしまうおいしい話ではあるが、回春の要素が散りばめられた主人公(58歳)を含む計3組の夫婦の、どこかしら仮面夫婦のように自分の夫(妻)に見せる建前と別の夫(妻)に見せる本音とが巧みに織り交ぜられたドラマとしても秀逸な作品だった。若年でも熟年でも最後まで添い遂げることを良しとする夫婦の価値観というのは基本でありながら古典でもあるのかな?などといった感慨にも耽ってしまうような読後感があり、この意味では事の良し悪しは別にして現代的な夫婦の1つの価値観が提示されているようにも感じた。 【香奈美】主人公の部下と結婚した28歳の新妻。主人公が仲人でもあったことから夫の性癖についての悩みを打ち明けるのが物語の始まりだが、その後の関係においてもなかなか本意が汲み取れず、読み手も主人公と一緒になって思わず考えてしまうところに小説としての面白さがある。最後にはさらっとその理由が綴られるも、基本的には主人公とのやり取りの中で「察してくださいね」という態度を示す清楚で貞淑な表向きと昂ってからの貪欲な内面とのギャップが魅力な前半のヒロインである。 【紀子】主人公の妻。リサイクルショップを営んでおり、香奈美はかつての店員だった。一見して単なるモブキャラと思わせながら実はしたたかな一面を覗かせるところがニクい。慎ましい妻を演じながら、夫も顔負けの存在感を後々に出してくる辺りに秀逸な構成の妙が見て取れる。 【由貴】香奈美の後にリサイクルショップで働くことになった37歳の人妻。この物語の幕引きを担う役目も与えられており、深草作品らしい静かな、それでいてパンチの利いたどんでん返しが最後に用意されている。こちらもまた一見地味な存在に見せておきながら、その裏に妖艶で小悪魔な別の顔を忍ばせているところにキャラ設定の匠さを感じる。 随所で描かれる官能描写も良好に話は進むが、この3夫婦の行方と主人公の最後の立ち位置を見ると、何と言うか「あぁ、失楽園……」そんな言葉が浮かんだ。

DSK

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