久木康の「絆」経営 「阿蘇製薬」熊本本社の意思と選択

福井信彦【著】

• 販売会社／発売会社: 三五館
• 発売年月日: 2011/08/24
• JAN: 9784883205233

商品レビュー

2011/11/27

救急絆創膏で国内製造シェアトップはどこか？答えられる人は少ないのでは。

それが本書で紹介されている「阿蘇製薬」

世界的に見ても「バンドエイド」のＪ&Ｊに次ぐ2位の企業・阿蘇製薬。

本書は初代の社長から引き継いだ息子である2代目社長が、いかにして阿蘇製薬を飛躍させたのかの歴史を紐解いている。

熊本に本社を置き、資本金10百万円、従業員数170人の地方の会社が、なぜここまでの規模にまで成長したのか。

その理念は「絆」。

1つ目は家族主義。「社員は家族」を合言葉に人材の確保と育成。取引先もとても大切に扱う。

2つ目は自助自立の貫徹と土台づくり。独自ブランドの展開に固執せず、あえて大手流通とタイアップしたプライベートブランドの道を貫く。

・気に入ったフレーズなど

創業理念を失うな

経営者は姿勢をよくしなければならない。ポケットに手を突っ込んだりしてはいけない。

君の会社が本当に社会に役立つものをつくり出し、それを社会がどれくらい必要としているかを正しく割り出し、それに合った生産体制や流通体制を考え、そういうことをすべて人にきちんと説明でき、さらにいま話した信用があれば、金はいくらでも出る。これが事業計画というものだ。

高いというなら、はっきりそう言ってやれ。製品に問題があるなら指導をしてやれ。それが人間の付き合いというものだ。

なお、こういう一代記を読み、ある人の人生を俯瞰すると、人の人生のベクトルをいうものは、ちょっとしいたきっかけ、偶然の出会いなどにより、方向づけられるということを痛感させられる。

本書もそういった本だ。