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記念日 anniversary 光文社文庫
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記念日 anniversary 光文社文庫

香納諒一【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 光文社
発売年月日 2011/08/10
JAN 9784334749811

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商品レビュー

3.3

5件のお客様レビュー

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2021/05/07

バイリンガルの人にとっては外国語でも自国語と同じように聞こえるなんて、ましてや本を読んでいる側にはわからないし映画だったらどの様に表現するのだろう。ぜひとも金代さんで作って欲しい。

Posted by ブクログ

2015/10/31

記憶をなくした男がチャイニーズマフィアの権力争いに巻き込まれるハードボイルド小説。 暴対法により犯罪組織の形態が昔とは変わったという時代背景も手伝ってか、最近こんな骨太の小説がめっきり減ってしまったようで残念です。 そんな中で緊張感やスピード感、登場人物の感情描写など、さすがは香...

記憶をなくした男がチャイニーズマフィアの権力争いに巻き込まれるハードボイルド小説。 暴対法により犯罪組織の形態が昔とは変わったという時代背景も手伝ってか、最近こんな骨太の小説がめっきり減ってしまったようで残念です。 そんな中で緊張感やスピード感、登場人物の感情描写など、さすがは香納氏と思わせる作品に仕上がっています。 唯一残念なのは、恵泉が迎えた結末。それまでの活躍振りにしてはあまりに呆気なさ過ぎた。

Posted by ブクログ

2012/06/25

 香納諒一という作家を知らない人がこれを読んだとしよう、あるいは前作『ステップ』、あるいは『贄の夜会』、『第四の闇』を。きっとその読者は、香納諒一という作家は、プロットが複雑で錯綜していて、アイディアが豊富で、奇想と仕掛け満ちた作風の持ち主だと。  『贄の夜会』以降、香納諒一...

 香納諒一という作家を知らない人がこれを読んだとしよう、あるいは前作『ステップ』、あるいは『贄の夜会』、『第四の闇』を。きっとその読者は、香納諒一という作家は、プロットが複雑で錯綜していて、アイディアが豊富で、奇想と仕掛け満ちた作風の持ち主だと。  『贄の夜会』以降、香納諒一の作風はがらりと変わった。  しかしそれに先んじて数年間の沈黙があった。何しろ2,000年に『炎の影』を上梓して以来、2004年に『夜空の、向こう』という連作短編集、『あの夏、風の街に消えた』という長篇を書いたっきり、2006年まで、香納諒一という作家はその後の変身を全く予期させなかった。少なくとも、ぼくは予期しなかった。  『贄の夜会』と『冬の砦』は、作家として新しいフェーズに入った第二期香納諒一の宣言であったかのかもしれない。しかしその後の香納作品は、凝りに凝ったプロットやネタ重視の徹底した謎解き娯楽小説か、そうではない昔の作風を残したものとに二分したかに見える。  ぼくは、2004年までの作品がほぼ全部において大好きだった。だからそれ以降のトリックを重視した作品は何か、香納諒一として買った商標が付け違っているように思えるのだった。その中でも『冬の砦』と『夜よ泣かないで』の二作は、なぜかこちら側にとどまっている作品であるように思えてならなかった。  とりわけ『冬の砦』は、今でもぼくの心の中で傑作である。もちろん2004年の二作も、香納諒一の普通小説としての新境地を見た思いがして、愛すべき作品であった。  さて、本書、『記念日』は、記憶をネタにした作品だ。こう簡単に言いきっちゃっていいものかどうかわからないが、トリック小説である。  記憶を失った自分を付け狙うのは誰だ? そう言っただけでラドラムの『暗殺者』(後にボーン・シリーズとしてヒット映画になったシリーズだ)を思い出すのだが、本書はそのネタと大差はない。記憶を失う前の自分を解き明かす物語である。しかしそれでいて、かろうじて恋愛小説としての気品を保とうとしている危ういバランスの作品だ。  ラストシーンは何となく香納風味に終ってほっとする。でもそこに至るプロセスは、一時代前のスパイ小説だと言っていい。もちろん活劇シーンや、謎の殺人に満ちており、内容は面白い。娯楽小説としてのハードルをクリアしているのだと思う。なのに、こんなに味気なく感じるのはなぜだろう。それは香納諒一という作家が、ぼくの好きだったあの作風をやはりどこかで捨て去っているからだ。  記憶、洗脳、催眠などを題材にして一世を風靡しているのが松岡圭介だとするなら、香納文体は、よりずっと丁寧で無骨で生真面目である。世界の興味を引き付けるマジシャンのような松岡小説は、面白いが底が浅い。香納という作家はきっと自分の作品を大切にしているのだろうなと思う。それほど、作品を刻むのに刃を入れる回数は多いし、丁寧だ。だから単なる娯楽小説にすればいいものを、危ういバランスを保ってでもいい小説を作ろうと魂を入れてしまうのだ、きっと。  すべてはこの一作で語り尽くせるものではないだろう。もっと彼の作品を読み、その行く末を推し量りたいとぼくは思う。何故って、もうこの人の作品とは、なぜか永いつきあいなのだから。

Posted by ブクログ

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