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CIA秘録(上) その誕生から今日まで 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2011/08/04 |
JAN | 9784167651763 |
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CIA秘録(上)
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第二次世界大戦が終結して平和が訪れたように思われたが、その後アメリカとソ連による冷戦時代が始める。その流れでCIAが誕生して、アメリカ以外の国々での諜報活動が本格化する。なかでもイランにおける諜報活動は大きな成果をあげた。 イランのモサデク政権が石油産業の国有化を宣言した際、...
第二次世界大戦が終結して平和が訪れたように思われたが、その後アメリカとソ連による冷戦時代が始める。その流れでCIAが誕生して、アメリカ以外の国々での諜報活動が本格化する。なかでもイランにおける諜報活動は大きな成果をあげた。 イランのモサデク政権が石油産業の国有化を宣言した際、イギリスSISと協力してモサデク政権を転覆させて、親米派のイラン国王を立てた。それでイラン国王の要請より、イランの諜報機関SAVAKを誕生させて、それ以降何十年も親米派の政権が続いた。 また本書の第12章に書いてあるが、日本もCIAの影響を受けている。日本は太平洋戦争で敗北してアメリカに占領されるが、その時期にCIAは将来性のある政治家に目を向けて、政治活動を支援した。とくに自由民主党に属する人に対してCIAは支援しており、その一方で社会党や労働組合の力を削いだ。これらの一連の活動が自民党による一党優位の体制を招いたと本書で指摘されている。 しかし本書を読み通すと、CIAの作戦は読者の想像以上にも成功していない。むしろ失敗の連続であったことがわかる。朝鮮戦争においては、朝鮮に関する基本的なデータや中国の動向となどいった情報が不足したことから、未然に防ぐことができなかった。
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ハンチントンやビル・エモットの著作と違い、翻訳された日本語が理解しにくく、なかなか読み進められない。訳の誤りも見受けられ、せっかくの作品が台無しになっているのではないか。 内容自体は、興味深い。
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原題はLEGACY of ASHES、負の遺産を残したのは誰か。 ルーズベルトの死後大統領職をついだトルーマンは戦時中の諜報組織OSSを解散する命令を出しアメリカのスパイ組織は廃止された。しかし、統合作戦本部、陸軍、海軍そしてFBIが自前の諜報組織を持ちたがり、軍事担当首席補佐...
原題はLEGACY of ASHES、負の遺産を残したのは誰か。 ルーズベルトの死後大統領職をついだトルーマンは戦時中の諜報組織OSSを解散する命令を出しアメリカのスパイ組織は廃止された。しかし、統合作戦本部、陸軍、海軍そしてFBIが自前の諜報組織を持ちたがり、軍事担当首席補佐官の進言もありCIAを立ち上げた。しかし初代長官はトルーマンが何を望んでいるかわからず、トルーマン自身もわかっていなかった。 当初からCIA内では将来的な対立の種が生まれていた。一方は情報収集を重視したが、もう一方は隠密な破壊活動を重視した。そして法律的な根拠なしに特別工作室には1千万ドルの資金が与えられた。資金の出元は欧州復興支援のマーシャル・プランで、援助を受けた国は自国通貨で同額を準備せねばならず、この資金の5%がCIAに流されたのだ。冷戦を計画したジョージ・ケナンのプランに第4代長官となったアレン・ダレスや秘密工作を指揮したフランク・ウィズナーがこの計画に乗り大統領やCIA長官にも無断で秘密工作を取り仕切った。 ウィズナーが責任者になった秘密工作部門はCIAの他の部門を合わせたより大きくなり20年以上その地位を守り続けた。ウィズナーがリクルートし政府を転覆させるために送り込んだスパイのほとんどは敵に見つかり殺されるか、投獄されるかした。また徴用したスパイの中には二重スパイが紛れ込み信頼できる情報は得られなかった。朝鮮戦争では詐欺師のゴミ情報に金を注ぎ込み中国の参戦を見抜けなかった。 第3代長官のベデル・スミスはCIAを専門的な諜報機関に変えようとウィズナーを抑えられる人物としてアレン・ダレスを副長官にすえた。だがむしろダレスは秘密工作を拡大させていった。CIAの組織の基礎を作り上げたスミスだがCIAを専門的な諜報機関にはしなかった。 大統領戦に勝ったアイゼンハワーはダレスを長官にした。そしてアイクの外交顧問でもあり、アレンの兄であり日米安保の生みの親でもあるフォスターとアレンの口車にのったアイゼンハワーが世界中で秘密工作を展開したのだ。しかし共産主義政権の誕生を防ぐために計画したクーデターはほとんど機能しなかった。やったことは事実上反政府側に金をばら撒いただけだ。唯一の成功と言えるイランのシャーのクーデターもCIA神話を生み工作はさらに泥沼化していく。 アイクの遺産を受け継いだJFKにCIAは秘密工作の報告をしなかった。「8年にわたって、アレン・ダレスはCIAを変えようとする外部からのあらゆる努力をかわしてきた。CIAと自分自身の名声を守らねばならなかった。秘密工作の失敗を隠し通すために、すべてを否定し、何も非を認めず、真実を明かさなかったのである。」ピッグズ湾事件の失敗を受けJFKはCIAを破壊したいと思ったが、結局は弟のロバートに任せ二人は秘密工作にのめり込んだ。アイクの8年間の工作が170なのにケネディ兄弟は3年で163の工作を展開した。しかし諜報活動は機能せず新長官のジョン・マコーンがソ連がキューバにミサイルを配備する可能性を指摘したのに誰一人賛同しなかった。ケネディは自国民に対するスパイを行なったのにソ連へのスパイはことごとく失敗しキューバ危機を見抜けなかったのだ。そして自分達がトルコに配備したミサイルのことは棚上げにして、核の打ち合いを避けるためには先制攻撃しかないと。そしてフルシチョフがアメリカがキューバに侵攻せず、トルコのミサイルを撤去すれば、キューバから攻撃兵器を引き上げると提案してきたが、最初はJFKとマコーン以外はその話に乗ろうとしなかった。まさに危機一髪。 このCIAが日本でやった工作も紹介されている。児玉誉士夫を通じ金をばら撒きCIAが世界の有力国の中で将来の指導者を最初に選んだ国が日本だった。選ばれたのは岸信介、CIAと二人三脚で日米安保をまとめていった。CIAは岸および自民党との隠密の関係を公式に認めたことはない。
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