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黄土の疾風
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黄土の疾風

深井律夫【著】

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黄土の疾風

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 ダイヤモンド社
発売年月日 2011/07/30
JAN 9784478016398

黄土の疾風

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商品レビュー

3.8

4件のお客様レビュー

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2019/03/05

中国の上海と雲南で農業をしてきた私にとって 刺激的な作品だった。 黄土高原での農業は、やはり厳しいと思う。 土作りにかなり時間がかかるし、 棚田というのはやはり労力がかかる。 紫色のジャガイモと中秋節に 赤い雪が降る というのが、大きなメタファーのような気がする。 新疆で、トマト...

中国の上海と雲南で農業をしてきた私にとって 刺激的な作品だった。 黄土高原での農業は、やはり厳しいと思う。 土作りにかなり時間がかかるし、 棚田というのはやはり労力がかかる。 紫色のジャガイモと中秋節に 赤い雪が降る というのが、大きなメタファーのような気がする。 新疆で、トマトを作る。 実際 新疆では、ケチャップ用のトマトがたくさん作られている。 しかし、単価が実に安いのだよね。 ケチャップ用の原料トマトで、果たして農民に利益をあげられるかは 疑問である。現在では、アメリカなどで、機械化が進んで、 かなり低コストのトマトができているので、 中国の手法で太刀打ちできるとは、思えない。 雲南省で、トマト(桃太郎)を作ってみたが、 雲南から、上海に運ぶ場合に、輸送が悪くて、 果実が崩れてしまうところが、問題だった。 確かに、日系のスーパーなどでは 高く買っていただけるが 雲南の市場では、ほとんど価格がつかない状況だった。 トマトは、野菜であり、果実でないということから 炒めて身がぐしゃぐしゃになるというのは不評だった。 トマトのフルーツ化には、まだまだ時間がかかる。 この作品では、農民の心をどう育てるかが、ポイントになっている。 ここでは、無知蒙昧の農民しか出てこないが、随分と大学を卒業して 農業をしようとする人が増えているので、様変わりはしてきている。 大きな農業企業が、農民から土地を借りて、もしくは 土地を購入して、農民を従業員にするという方法で、 政府は、三農問題を解決しようとしているが、 やはり、助成金などでの賄賂が横行し、実際の農地まで お金がこないということだ。 農業のノウハウにお金をかけずに、設備や施設に助成金が 多く、そして、いたるところに「観光農園」ができているのも 奇妙な現象となる。 この作品では、土作りと言っているが、どんな風に土作りをするのかが あまりよくわからない。 ビール会社の提携を絡めて、跡目相続争いみたいに作られていて この物語の構想力は卓越していると思う。 その中で、遺伝子組み換えの世界的ガリバーが 中国をターゲットにしていることは、確かで、 遺伝子組み換えに関しては、中国はかなり積極的に取り組んでいる。 大塚草児の持つ 中国との戦い方は、よく熟知していると思う。 どうやって、中央政府と交渉できる能力を持ったかが、不明でもある。 しかし、リスク管理はきちんとできていると思う。 志村達也は、どうも目的が不明で、その上、自分のポジションを 十分に理解していないというのであるが、あまりにも酷すぎる。 この人が、立ち直るとは思えないなあ。 中国人の唐新宇がキーマン。存在感がある。 確かに、劉備って、目立たないのだが、人間的な魅力がある。 唐新宇をそのようなキャラクターに仕上げたのは、 意味があるかもしれないが、高利の資金を集めて、 会社経営を失敗させたというのも、中国的な英雄とは言えない。 大塚草児、志村達也、唐新宇という人物形成が、物語を深くしている。 何と言っても、警察官アイヌルが、徐々に変化して行く様が 何と言っても、作品に彩りを与えている。

Posted by ブクログ

2013/02/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

第三回城山三郎経済小説大賞受賞作。 中国の農業が舞台。主人公は中国の農民は怠惰だから、まずは勤勉さを教え、働く意欲を身につけさせないと未来はないと考える。それに対し、遺伝子組み換え植物で利益をただ優先する欧米ファンド。これに酒類メーカーの買収劇、兄弟の確執を交えて展開する。 中国の農業の実態が本書にどこまで近いのかは知らないが、フォーカスされないジャンルなので興味深く読めた。最後の「反撃」、思わぬ人物がキーパーソンだったのも良い。 然しながら、残念なのは人物像。主人公を憎む弟の信じられないまでの愚かさ、主人公の親や同僚など味方の“善人さ”など、善・悪・愚といった位置付けはっきりし過ぎていてリアリティに欠ける。漫画ならいいかもしれないが…。

Posted by ブクログ

2012/01/14

たまたま手にとった深井律夫の小説。 これ面白い!! 作者は中国に留学しており、中国を舞台とした小説。 最後はちょっとあり得ないような展開だけど、面白いのでどんどん読み進む。中国がどういうところかちょっとだけ分かった気がする。

Posted by ブクログ

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